従来型の営業スタイルは、属人化という非常に大きなリスクを抱えていました。
セールスフォースを導入することで、属人化のリスクを軽減できます。
また、入力された営業情報を分析することで自社の営業勝ちパターンを確立でき、営業力を標準化して会社全体の営業スキルの底上げを実現します。
この記事では、セールスフォースを導入することでどのようなメリットがあるのかについて、わかりやすく解説します。
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目次
セールスフォースとは?
セールスフォースとは、クラウド型のCRM/SFAのことを指します。アメリカの株式会社セールスフォース・ドットコム社によってサービスが提供されています。
SFAとは(Sales Force Automation)の頭文字をとったもので、日本語では「営業支援システム」と呼ばれています。
直訳すると「Sales=営業」、「Force=力」、「Automation=自動化」となります。
一連の営業プロセスにおいて、見積作成、顧客への訪問履歴、ヒアリング内容などの各営業業務を見える化し、効率よく業務を遂行するようサポートしてくれる営業支援ツールです。
セールスフォースは、さまざまなベンダーが代理店となり企業へ提供しています。
また、企業によって営業プロセスもさまざまなので、SFAを選ぶ際は注意が必要です。
自社に合ったサービスを選定するようにしましょう。
おすすめのSFA10選を徹底比較し、解説した記事もございますので合わせてご覧ください。
セールスフォースを導入するメリット
セールスフォースを導入するメリットとして、営業活動の効率化やノウハウの共有、他部門と連携が取りやすいなどがあげられます。
それぞれ見ていきましょう。
- 顧客情報の一元管理が可能
- 営業活動の効率化
- 営業ノウハウの共有
- 部門間の連携が取りやすい
- 営業データで社員を適正評価できる
- 機能のカスタマイズができる
顧客情報の一元管理が可能
セールスフォースの導入により、顧客情報の一元管理が可能となります。
なぜなら、セールスフォースに顧客情報を登録することで、顧客担当者の情報、ヒアリングした内容などを蓄積することで、組織全体で管理・運用ができるからです。
システム化をする前は、各営業担当者が自分の顧客情報をExcelや物理的なノートなどで管理されており、情報が分散していました。
もし、Excelファイルが担当者のローカルPCに保存されていたり、ノートのみで管理されていたりした場合は注意が必要でした。
Excelファイルが壊れてしまったり、あやまって消去してしまったり、また物理的なノートの場合は紛失してしまうリスクがありました。
顧客の重要な情報を記載したノートを紛失してしまった場合、コンプライアンス上大変な問題です。
もし、顧客の情報が流出した場合は、損害賠償の問題にも発展しかねません。
また、営業の業務は属人性が非常に高く、人事異動や退職時にしっかり引き継がれないという企業も少なくないと思います。
筆者の過去勤めた会社の経験では、体調不良による退職や連絡もなく急に退職してしまう営業スタッフもいました。
さらに、人事異動で別の支店へ異動となるスタッフも、忙しさを理由にしっかりとした引き継ぎがないまま異動してしまうケースもありました。
しかしセールスフォースでは、こういった属人性のリスクや情報の分散が解消されます。
急な退職者が発生しても、急な人事異動が発生して引き継ぎ時に担当者からの説明がなくても、顧客の情報はすべて蓄積されているので問題ありません。
営業活動の効率化
営業支援システムであるセールスフォースを導入すれば、営業活動の大幅な効率化が図れます。
なぜなら、Excelで営業情報を管理する場合、複数人で同時に記入ができず、記入したスタッフが保存をしてファイルを閉じるまで、次の人が記入できないという煩わしさがありました。
筆者の経験ですが、報告書に記載をしないとならない金曜日の夕方、Excelに報告内容を記載して早く帰宅しようとExcelを開こうとしました。
しかし、Excelファイルを1時間も開きっぱなしの先輩スタッフがいて、非常に困った経験がありました。
Excelを保存する際に、あらかじめ用意しておいた文章をコピペして保存すれば、5分ほどで終了するようなものなのですが、その先輩スタッフはそのような機転をきかせられる余裕がなかったのでしょう。
セールスフォースを導入をすれば、決してこのようなことはなく、いつでもどこからでも同時アクセスが可能で閲覧・更新できます。
したがって、案件の進捗も確認できるため、管理者は担当者の電話報告や帰社を待つことなく、システムを確認すればヒアリング内容や商談の結果が確認できるのです。
また管理者は、案件の進捗が遅れていたり、イレギュラーなトラブルをかかえていることもリアルタイムで気づけるため、案件の取りこぼしや、提出物の遅延による顧客からのクレームを防げます。
営業ノウハウの共有
営業とは、個人によってかなり差が出てくる職種です。
なぜなら、個人の能力やスキルによって大きく営業成績が変わってくるからです。
たとえば筆者の経験では、官公庁に対する営業などは昔、何度も何度も訪問して担当の方へ会えなくても自分の名刺を置いてくることで、訪問した回数が多い企業から話しを聞いてくれるというような時代もありました。
したがって、根性のある営業担当しか結果が出せませんでした。
また、説明がとにかく上手で、お客さんの話しも聞き上手であることによって、たくさん仕事をとってくる営業担当もいれば、お客様に気に入られやすいキャラクターを武器に仕事をとってくる営業もいました。
このように、これまでの営業は担当者の能力やスキルによって、成績に大きく差が生まれることが通例でした。
しかしシステム化により、上述した優秀な営業担当の行動をデータとして蓄積し、成功事例を組織全体での共有が可能となります。
それにより、他と差をつけたいがために情報を出さなかった優秀な営業担当も、社内のルールに従い情報を開示するようになり、成績の上がらなかった営業も、新人の若い担当者もノウハウが蓄積できるのです。
それによって、会社全体の営業スキルの標準化が図られ、新人の教育についても誰が教えても差がつきにくい仕組みづくりが可能となります。
営業業務のマニュアル化も可能となるため、教育専門の担当者の人件費も削減でき、教育に関わるコストの削減にもつながります。
部門間の連携が取りやすい
従来型の営業スタイルは、1人の営業担当者が顧客の発掘から提案、受注、その後のサポートまでを一貫して担当してきました。
しかし現代では、マーケティングというスタイルが定着しつつあり、営業の業務をプロセスごとに分業する手法が注目されています。
マーケティング部門が発掘したリード(見込み顧客)に対し、インサイドセールス(内勤営業)がナーチャリング(見込み顧客の育成)を行い、受注角度の高まったホットリードの情報をフィールドセールス(外勤営業)へパスするという営業手法です。
さらに、既存顧客に対しては、カスタマーサクセス部門が顧客に、自社商品やサービスを使用してもらうことで成功を体験してもらうという手法も定着しつつあります。
一連の営業プロセスを4部門で分業するわけですから、顧客情報や案件情報などを一元管理するためにはExcelでの管理はとても難しいです。
セールスフォースでは、マーケティングが集客したリード情報から、インサイドセールスが育てたホットリードの情報、フィールドセールスの受注状況まで、各部門がすべての情報を閲覧できるようになります。
また、CTIとも連携が可能なため、コールセンターに対してもサポートができます。
したがって、システムを中心に各チームの連携がとれるようになります。
営業データで社員を適正評価できる
これまで、人事評価は営業の数字、いわば結果が主な評価対象であった企業も多かったでしょう。
また、上司によっては、気に入っている部下に対しては良い評価を与えがちでした。
しかし、セールスフォースでは、営業担当者の目標管理や進捗管理の機能が搭載されており、行動や実績が見える化できるため、数字の結果だけでなくそれまでの詳細なプロセスの確認が可能となります。
人事部門からも閲覧が可能となるため、上司の好みによる評価のムラがなくなり、それまでの蓄積されたデータをもとに社員の適正な評価が可能となります。
機能のカスタマイズができる
セールスフォースの機能は、必要な機能を選択するなどのカスタマイズが可能です。
したがって、自社に合わせたボリュームの機能を選定できます。
ビジネスの業種や営業プロセスによって主要ツールを選択し、その他のツールと組み合わせて機能を増やすことが可能です。
ツールの組み合わせによって価格が変わり、必要のある機能だけを選定できるので無駄にコストがかかりません。
たとえば、以下のように機能ごとにツールがラインナップされています。
- 顧客情報管理(CRM)+営業支援(SFA)ツール ⇒「Sales Cloud」
- 集客型のリードジェネレーション・ナーチャリングツール ⇒「Marketing Cloud」
- 商談型のリードジェネレーション・ナーチャリングツール ⇒「Pardot」
- カスタマーサクセス・カスタマーサポートツール ⇒「Service Cloud」
さらに詳しく
セールスフォース導入時の注意点
ここでは、セールスフォース導入における注意点を解説します。
- 導入にはプロジェクトチームが必要
- 即効性のあるツールではない
- 活用するための定期的な勉強会を
- 活用するための定期的な勉強会を
導入にはプロジェクトチームが必要
導入の際は、プロジェクトチームの結成が必要です。
理由は以下の通りです。
- 社内の反対派に対する対策が必要
- 導入前にセールスフォースに関しての前提知識や自社に合うツールの選定が必要
- セールスフォースで得たい成果を複数の担当者で把握しておくことが必要
- 導入後に変化する、各業務内容のサポートが必要
- 操作方法やカスタマイズなどのメンテナンスの担当者が必要
それぞれ見ていきましょう。
社内の反対派に対する対策が必要
システム化における対策として、まずあげられるのは「反対派」に対する施策です。
企業の業務のシステム化には、必ずと言っていいほど反対派が存在します。
しかし、全員の意見を取り入れていては会社のさらなる成長は実現できません。
対策方法としては、プロジェクトチームの総責任者を営業担当役員にすることです。
反対派がいても、営業担当役員が責任者となることで従わざるを得ません。
中小企業の場合は社長を責任者とし、2~3名でのプロジェクトチームとすればよいでしょう。
もし、セールスフォースを使用していないスタッフがいた場合は評価に影響することとし、セールスフォースを使用させるようにします。
とにかく、全員がセールスフォースを使用する仕組みづくりがもっとも重要です。
導入前にセールスフォースに関しての前提知識や自社に合うツールの選定が必要
セールスフォース導入の前に、セールスフォースに関する知識を増やさなくてはなりません。
「とりあえず自社にもSFAの導入を!」
となってしまっては、営業支援システムを導入することが目的となり、導入しただけで満足して運用がうまくいかなくなるケースとなってしまいます。
セールスフォースで得たい成果を複数の担当者で把握しておくことが必要
一人のスタッフがシステム化を担当してしまうと、その人が休みの時に不測の事態が起きた時に対応できる人がいなくなってしまいます。
システムの属人化を防ぐためにも、複数人で運用できる仕組みにする必要があります。
導入後に変化する、各部署へのサポートが必要
自社の新しいサービスの登場や、組織変更などにも対応が必要です。
他部署が新しいシステムを導入する際などは、システム連携が必要となるのでチームとしての対応が求められます。
操作方法やカスタマイズなどのメンテナンスの担当者が必要
導入後、自社の営業プロセスに合ったツールへチューニングしていくことが重要です。
また、日々の操作方法の問い合わせにも対応する必要があります。
即効性のあるツールではない
セールスフォースのようなSFAツールは、一見するとすぐに売上につながるものだと思ってしまう担当者も少なくないです。
しかし、ビジネスツールはあくまで顧客獲得のプロセスを管理してくれるものであり、ツール自体が顧客を獲得してくれるわけではありません。
SFA導入の目的は、「顧客情報の蓄積・共有」、「営業プロセスの可視化による業務効率化」を図ることです。
それにより、結果的に売上の最大化を目指します。
また、ツールの操作方法や活用方法など、SFAに関するさまざまな知識を全員が共有する必要があるため、運用に乗せるのにはそれなりの時間がかかります。
さらに、運用してから自社に合わせた使いやすさへチューニングすることも必要となってくることや、営業活動などのデータが蓄積されるには時間がかかるため、ツールを社員教育に活用するまでには時間がかかります。
プロジェクトチームでは、導入前にこのような内容を十分に全社へ説明を実施の上、導入後も納得性の高いシステム化を実現する必要があります。
活用するための定期的な勉強会を
セールスフォース導入の失敗例の多くは、使いにくい、活用方法がわからないといった理由があります。
原因は、社内でしっかりと活用方法の勉強会を行っていないからです。
さまざまな機能があるセールスフォースは、活用次第では非常に大きな成果を発揮しますが、しっかりと機能を使いこなせていなければ、Excelの運用の方が楽だという最悪の結論に至ってしまいます。
それでは営業改革を実現できませんし、競合他社に大幅な遅れをとってしまいます。
システムを使いこなすためには、定期的な使用方法の勉強会の開催が必要です。
データの入力方法や、蓄積したデータの活用方法など、機能を便利に使用できる方法をスタッフと常に共有します。
中には、ツールの研究が好きな社員も出てくることもあるので、そのスタッフからの有益な情報を共有する場としても良いでしょう。
また、各スタッフからどんどんアイデアを出し合って、自社にとって使いやすい方法を日々模索してブラッシュアップしていく雰囲気づくりが、システム化の成功にはとても重要です。
大切なのは、営業スタッフ全員が前向きにツールを活用するモチベーションを保ち続けることです。
そのためには、ツールをいかにうまく活用するかという、個人目標を設定するのもアイデアの一つでしょう。
セールスフォース導入後の活用方法
ここからは、実際にどのような活用方法があるのかについて解説していきます。
営業部門の情報管理(進捗など)
Excelでの営業情報の管理・運用では、1つのExcelファイルに予算や実績を記入して運用している企業も少なくないでしょう。
なぜなら、筆者の過去勤めた会社では会社全体の数字から営業の案件情報までを、1つのExcelファイルで管理していた会社に勤務していたことがあるからです。
期末になるに従ってファイルが重たくなり、開くだけでも1分近くかかった記憶があります。
さらに、外出先からVPNでアクセスしてファイルを開こうとしても、うまく開けず会社にいる上司やアシスタントへ代理で記入してもらうなど、運用でカバーしていたこともありました。
このように、Excelでの運用には限界があり、こうした手間や時間が1人でなく10人、100人、さらに1年間として考えると、その時間でどれだけ顧客対応に専念できたかということになります。
セールスフォースの活用により、こういった時間や手間、コストが削減できます。
外出先からも簡単にツールへアクセスができ、商談後すぐに結果を記入することで、営業責任者はスタッフの日々の活動状況をリアルタイムに確認できるようになります。
それにより、目標達成度合いをリアルタイムで確認できたり、進捗が遅い案件を発見できたり、トラブルが発生した案件に対するカバリングも早かったりというメリットがあります。
したがって、事業が拡大されて顧客情報や案件情報が増えても、データの管理や案件進捗の管理においてトラブルがないことが、セールスフォースを導入するメリットです。
営業力標準化のためのマニュアル作成
セールスフォースの導入は、自社の営業力の標準化を可能にします。
なぜなら、日々活動した営業情報のデータをもとに、自社にとっての営業プロセスの成功法が確立できるからです。
蓄積された営業情報は宝の山です。
優秀な営業スタッフが行動してきた勝ちパターンを分析することで、顧客へのヒアリング内容や、提案書などの提出物、見積もりの内容、金額の見せ方、顧客からの要望に対する対応方法などを参考に、営業のマニュアルが作成できます。
それにより、成績の伸びないスタッフや新人のスタッフに活用することで、営業スキルの底上げが可能となり営業力の標準化が実現できるのです。
結果が出ずにモチベーションの下がっていたスタッフも、マニュアルを活用することで結果が出ればやる気となり、会社全体の売上向上につながっていくのです。
マニュアル化において大切なことは、各営業プロセスの工程を明確にすることです。
たとえば、提案のプロセスはどこからどこまでか、クロージングの範囲はどこからがスタートなのかなどを明確にし、スタッフ全員がその認識を間違えないことが重要です。
もしプロセスの範囲を営業スタッフが異なって認識してしまうと、優秀な営業スタッフの成功法から逸脱してしまい、マニュアルとして機能しなくなってしまうからです。
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まとめ
セールスフォースは、導入するだけではメリットを最大限に享受できません。
なぜなら、導入後、入力されたさまざまなデータを分析し、その後の営業活動に活かすことで初めて威力を発揮するからです。
また、自社にあった機能を選定することもできるので、導入の際には十分に比較検討をおすすめします。
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