従来の営業活動は、顧客先に直接訪問して商談する形を取ってきましたが、2020年のコロナ禍以降は営業活動を内勤で行なう「インサイドセールス」が増えました。今やインサイドセールスは、企業によっては営業活動にはなくてはならない手法となっています。
しかし、インサイドセールスで活用するツールの理解度や運用レベルは担当者によるところがあり、企業としてはしっかりとした教育が必要となっています。
そこで今回は、おすすめのインサイドセールスツールをランキング形式でご紹介します。
【比較前に】インサイドセールスツールとは?
インサイドセールスの最大の強みは、営業活動を分業化することによって効率的に成約につなげることです。それをサポートするツールは、MAツール、SFAツールそしてCRMツールと、大きく分けて三つの種類があります。
これらの導入を図る事により、顧客を効率的に管理したり、売上増加を狙ったりすることができます。ここからは、インサイドセールスツールのより具体的な特徴を解説します。
- スケジュールや顧客管理/業務の自動化に役立つ
- 営業向けのIP電話ツールもある
- インサイドセールスの立ち上げ・構築が大切
スケジュールや顧客管理/業務の自動化に役立つ
インサイドセールスツールを使うことによって、より積極的に売り上げを伸ばすことができます。商談のスケジュールや顧客の管理などを人力でやると、莫大な時間とコストがかかり、かえって効率が悪くなります。
これらの業務をツールで自動化することによって、無駄な時間を減らし、作業の効率化を図ることができます。
営業向けのIP電話ツールもある
インサイドセールスツールには、SFAやMA、CRMといったツールの他にも、営業に特化したIP電話ツールがあります。IP電話ツールとは、インターネット回線を用いたもので、「050」から始まる電話番号が特徴です。
さらに、AIで電話の内容を自動的に録音してテキスト化できるものや、通話内容を解析して採点するIP電話ツールもあります。
顧客満足度や成約率を上げるために、これらのツールが使われています。
インサイドセールスの立ち上げ・構築が大切
インサイドセールスを導入するに当たって、立ち上げ時にどう構築するかが重要なステップになります。セールスで取り扱う商品を決定し、注力する対象を絞ることが重要です。
また、一連のセールスフローについても、どのような情報をどのタイミングで見込みの顧客に送るのか、といったシナリオをしっかり設計しておく必要があります。必要のない情報ばかりを届けてしまっては、顧客に不快感をあたえてしまいかねません。
さらに、インサイドセールスをより確かなものにするために、円滑なコミュニケーションがとれる営業組織の構築も必要です。そのためには、インサイドセールスの立ち位置を営業部門、またマーケティング部門と同列の位置に設定します。
営業部の上でも下でもなく、同列に設定することでトラブルを防止し、強い営業組織が構築できるのです。
さらに詳しく
インサイドセールスツールの比較選定ポイント
インサイドセールスツールは、業務を効率化する上で欠かせないものです。しかし、どのツールを選べば良いのか分からない、という企業も多いのではないでしょうか。
ここでは、インサイドセールスを選定するにあたって重要なポイントを解説していきます。
- ツールの機能
- コストパフォーマンス
- サポート体制
ツールの機能
選定するにあたって重要なポイントは、ツールの機能です。ツールによって特徴が異なるので、どのような機能が兼ね備えてあるのかをチェックし、目的に合ったものを選ぶことが大切です。
インサイドセールスツールには、大きく分けて以下3種類のツールがあります。
ココがポイント
- 新たな見込み顧客を獲得するのをサポートし、成約に繋げる:「MA(Marketing Automation)」
- 営業活動や結果を可視化して、営業の生産性を上げる:「SFA(Sales Force Automation)」
- 顧客との関係性を管理する:「CFM(Customer Relationship Management)」
それぞれの目的に合わせて選定しましょう。
コストパフォーマンス
機能の次に見るべき点は、コストパフォーマンスの高さです。値段が高額なだけで機能が充実していない、あるいは操作が難しくて使いこなせないと結果的に運用コストが上がってしまいます。そのため、オールマイティで直感的な操作ができるツールを導入することをおすすめします。
導入コストと自社のスタイルを照らし合わせた上で的確なツールを選ぶことにより、業務の効率化による大幅なコストダウンが期待できます。その点を踏まえたうえで、ツールの導入を検討してみましょう。
サポート体制
インサイドセールスツールによっては、それなりのITリテラシーが必要となるツールもあります。その場合、プログラミングの知識が豊富でツールを使いこなせる人材が必要となってきます。それが難しい場合は、サポート体制が手厚いものを選定することが必須です。
サポートについては、ツールを提供している企業はもちろん、自社の部門間でのサポートも必須となっていきます。そのため、難しいツールではなく、直観的でわかりやすいツールを選んでおくことが重要です。自社に合ったものを選定しましょう。
【比較10選】インサイドセールスツールランキング
ここからは、インサイドセールスツールをランキング形式で比較していきます。それぞれの特徴とメリット、デメリットをまとめてみたので、参考にしてみてください。
- Salesforce Sales Cloud
- Marketing Cloud Account Engagement(旧Salesforce Pardot)
- front BPO
- BALES CLOUD
- Senses
- Knowledge suite
- Marketing hub
- MiiTel
- 050plus
- pickupon
1.Salesforce Sales Cloud
公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/
■特徴
リードの発掘から契約までの一連の流れを設計できるCRMツールです。
■おすすめできる企業
Salesforce Sales Cloudは、インサイドセールスに必要なツールをまとめて導入したい企業に向いています。
■メリット
商談ごとの進捗状況を確認・共有することができるので、プロセスの管理がしやすくなります。さらに、顧客情報を一括で管理ができるので、効率の良い営業活動が期待できます。
■デメリット
導入初期はデータの入力項目が多くて、成果が出るのに時間がかかります。また、専門的な知識が求められるので、操作方法をきちんと理解する必要があります。
2.Marketing Cloud Account Engagement(旧Salesforce Pardot)
公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/products/marketing-cloud/marketing-automation/
■特徴
世界トップシェアのMAツールで、競合他社のツールに比べても機能がオールマイティなところがポイントです。
■おすすめできる企業
見込み顧客(リード)の育成と強化に力を入れたい企業に向いています。
■メリット
的確なタイミングでリードに情報を送ることが可能で、AIが搭載されているのが特徴です。購買へのアプローチをAIが適切に分析してくれるところが強みです。
■デメリット
MAツールの中でも価格が高くて、それなりのコストが掛かります。操作が難しいとの声も多いのが難点です。
3. SFA Hands-on
公式サイト:https://goofy-inc.com/hands-on/
■特徴
hands-on型front BPOという、現場目線の運用を重きに置いた企業です。ツールの導入によるビジネスシナリオの設計と構築を目標としています。
■おすすめできる企業
これからインサイドセールスを立ち上げたい企業に向いていて、しっかりとしたインサイドセールスのプロセスを組みたい企業におすすめです。
■メリット
システムの構築から運用フォローまでを一括して設計できます。SFAツールの導入から集客までのプロセスを任せられます。
■デメリット
ITに関して専門的なエンジニアがいて、自社内でシステムを選定して使いたいという企業には不向きです。
4. BALES CLOUD
公式サイト:https://bales.smartcamp.co.jp/bales-cloud
■特徴
誰でも簡単に操作できるというのをモットーにしているSFAツールです。直感的なUI/UX作りを徹底しているところが特徴的です。
■おすすめできる企業
営業未経験の方や雇用形態が様々な企業で活用できます。
■メリット
エンジニアがいなくても設計が可能です。簡単に使えるので研修のコストがかからないのもポイントです。そして、アナリティクス機能やワンクリック発信機能が兼ね備えられていており、スムーズな営業活動が可能です。
■デメリット
営業リストのページの動作が重いのと、知名度が低いので評価数が少ないところが短所となります。
5. Senses
公式サイト:https://product-senses.mazrica.com/
■特徴
現場ファーストを徹底した企業で、案件ボード機能による直感的な操作が可能なCRM/SFAツールです。
■おすすめできる企業
営業やリモートワークを円滑に進めたい企業に適しています。
■メリット
AIが進行中の案件のリスクを分析することができます。OCR機能による名刺のスキャンや自動文字起こしも可能なので、入力の負担を軽減できます。また、各担当の進捗状況を簡単にシェアできるので、円滑な営業活動が見込めます。
■デメリット
プランによって使用可能な機能が大きく変わるので、安い料金プランだと欲しい機能が使えない可能性があります。
6. Knowledge suite
公式サイト:https://ksj.co.jp/knowledgesuite/
■特徴
マルチデバイス機能を兼ね備えた、テレワークを促進するSFA/CRMツールです。名刺データの管理に特化しています。グループウェア機能が搭載されていて多機能です。
■おすすめできる企業
見込み顧客の管理を徹底したい企業や、テレワークを取り入れたい企業に向いています。
■メリット
商談に必須の名刺をオンラインで交換したり、顧客情報に名刺データを保存できる機能があります。3ステップでリードの情報を登録することが可能です。マルチデバイス機能により、あらゆる端末、場所からの業務が可能です。
■デメリット
従量課金制なので、データ容量が増えるにつれて料金が高くなるのと、グループウェアのためCRM/SFAを単体で導入したい企業には向いていません。
7. Marketing hub
公式サイト:https://www.hubspot.jp/products/marketing
■特徴
SEO対策に力を入れていて、オーディエンスを惹きつけて顧客にするまでの流れを支援するMAツールです。
■おすすめできる企業
新規顧客を獲得したい、自社の商品やサービスをもっとアピールしたい企業におすすめです。
■メリット
SEO対策に特化していて、リアルタイムで改善点を表示する機能が付いています。これにより、競合他社よりも上位の検索順位が見出されることが期待されます。そして、専門的な技術不要でランディングページを簡単に作成できるところも長所です。
■デメリット
機能がわかりづらくて、直感的な操作ができないところがマイナスポイントです。海外のツールのため、英語が分からないと使いづらい、という点もあります。
8.MiiTel
公式サイト:https://miitel.revcomm.co.jp/
■特徴
営業用途でも、コールセンター用途でも使えるIP電話アプリで、成約率向上に向けたシステムが導入されているのがポイントです。
■おすすめできる企業
営業はもちろん、コールセンターの業務で使いたい企業に向いています。
■メリット
通話内容をAIが採点します。会話のラリーや沈黙回数などの分析・フィードバック機能が兼ね備えており、客観的な通話内容の評価、改善に役立ちます。オペレーターの教育の手間も大幅にカットできて、コストパフォーマンスが高いところがポイントです。
■デメリット
音声認識機能が搭載されていますが書き起こしに誤字が多く、精度があまり高くないところがあります。
9. 050plus
公式サイト:https://service.ocn.ne.jp/phone/ip/050plus/
■特徴
格安通話が可能で、留守電機能やテキストメッセージを送信する機能が搭載されているIP電話ツールです。
■おすすめできる企業
海外に拠点を持つ企業や、海外へ出張することが多い企業に向いています。テレワークにもおすすめです。
■メリット
通話料の節約になるところが最大のメリットです。海外からでも日本と同じ通話料で通話できる点や、固定電話・他社携帯電話への通話料金が通常と比べて安いところもポイントです。
■デメリット
普通の電話回線と比べて通話品質が悪く、通信環境によって品質のバラつきが生じ、不安定な点があります。
10. pickupon
公式サイト:https://service.pickupon.io/
■特徴
通話内容をAIが記録して自動で文字起こしをしてくれる、電話営業特化型のサービスです。導入も簡単で、手間がかからないため最短即日で利用できます。
■おすすめできる企業
電話営業に力を入れている企業や、すぐに導入したい企業に向いています。
■メリット
sensesやsaleforceなどのCRM・SFAと連携が可能で、PCとヘッドセットがあれば簡単に導入できる点がメリットです。電話を架けずに閲覧のみのアカウントは無料で利用できます。また、サポート体制も充実しているので、複雑なセールスフローを組みたい時にも安心です。
■デメリット
1IDにつき月額6000円とコストが高額な点と、画面の切り替えがスムーズにできないところが懸念点です。
まとめ
インサイドセールスツールは多種多様で、専門的な知識が必要とされるものや、誰でも直感的に簡単に操作ができるものもあります。選定の際にはツールの機能はもちろん、コストパフォーマンスやサポート体制までを、総合的に確認することが重要です。
また、インサイドセールスを立ち上げる際にはセールスフローのシナリオを作成し、しっかりとしたプロセスの構築が必要です。
それぞれのメリット、デメリットをしっかり比較してから、自社に合ったツールの導入が成功のカギです。
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