セールスフォースとは、インサイドセールスの導入時に利用できるアプリケーションです。セールスフォースでは、一連の営業活動をマーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスに4分割することで業務の効率化を図れると提唱しています。その中でも、インサイドセールスを導入する企業が年々増えています。
この記事では、そんなセールスフォースを活用したインサイドセールスについて、サービスの内容や具体的な導入事例を紹介いたします。
目次
セールスフォースのインサイドセールスとは?
営業ツールであるセールスフォースと、営業プロセスの1部門であるインサイドセールスですが、どのようなものか次の2点について解説します。
- セールスフォース・ジャパンが提供するプラットフォーム
- インサイドセールスは営業を効率化できる手法
セールスフォースとインサイドセールスに関する重要なポイントとなります。詳しく見てみましょう。
セールスフォース・ジャパンが提供するプラットフォーム
セールスフォースは、株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する営業支援や顧客管理などの機能を持った、複数の製品のプラットフォームです。
その中に、インサイドセールスで活用できる機能が含まれます。
株式会社セールスフォース・ジャパンは2000年4月に設立された会社で、クラウドアプリケーションやクラウドプラットフォームの提供を主な業務にしています。会社概要は以下の通りです。
社名 | 株式会社セールスフォース・ジャパン /
Salesforce Japan Co.,Ltd. |
設立 | 2000年4月 |
資本金 | 4億円 |
代表者 | 代表取締役会長 兼 社長 小出 伸一 |
本社 | 米国セールスフォース / Salesforce, Inc.
(所在地:サンフランシスコ) |
インサイドセールスは営業を効率化できる手法
昔から行われてきた営業活動の手法では、営業担当者が見込顧客の発掘してアポイントをとり、顧客を訪問して、様々な商談・交渉を行っていました。
それに対し、電話やメール、SNS、Zoomなどを活用しながら、非対面で営業活動をする方法をインサイドセールスと呼びます。
インサイドセールスでは、以前はできなかった見込顧客管理、適切なタイミングでの顧客への働きかけなどを専門的に実施することができるようになりました。デジタルデータで見込顧客の状況を把握することも可能です。
また、最初のアプローチから成約までもっていくプロセスを、効率よく行えるのもインサイドセールスの特徴です。
【セールスフォース】インサイドセールスの役割と種類
ここでは、インサイドセールスの役割と種類について詳しく見てみましょう。
以下、2つのポイントについて解説します。
- インサイドセールスの役割とは?
- セールスフォースが提供するサービス
インサイドセールスの役割とは?
インサイドセールスの役割とは、マーケティング活動によって発掘された見込み顧客の購買意欲を高めること(リードナーチャリング)です。
企業によっては、マーケティング活動をインサイドセールスが行うケースもあります。発掘した見込顧客を創出し、新たな接点を確立します。
インサイドセールスは、一連の営業活動における1部門です。他の活動と分担することで、営業効率を高めていきます。
また、情報整理をして優先付けを行い、電話やEメールを使用して見込み顧客へ直接アプローチを行います。すぐに契約の意思がない見込み顧客に対しては、セミナーや展示会の案内を定期的にすることで、見込み顧客の購買意欲を高めます。購買意欲の高まった見込み顧客の情報は、フィールドセールスへパスして顧客へ訪問します。その後商談を進め、受注するという流れになります。
セールスフォースが提供するサービス
セールスフォースは、インサイドセールスをはじめとした営業活動の目的に応じた複数のプラットフォームを提供しています。具体的にはどのようなサービスが提供されているのか、ここで紹介します。
- Sales Cloud
- Service Cloud
- Marketing Cloud
- Salesforce Platform
それぞれのサービスの詳細を見てみましょう。
Sales Cloud
Sales Cloudとは、SFAツールです。Sales Force Automationの頭文字をとった言葉で、日本では「営業支援システム」と称します。
見込顧客の情報や営業ステータスの管理、営業担当者の活動サポート、営業データの蓄積ができます。営業プロセスを可視化して一連の流れを支援し、成約までを効率的に行えるようにするのがSales Cloudを活用する目的です。
また、次の有効な手立てを考えるための手段としても利用できます。
Sales Cloudは、以下の料金プランがあります。
Essentials | Professional | Enterprise | Unlimited | |
料金(税抜き) | 3,000円/月/ユーザー | 9,000円/月/
ユーザー |
18,000円/月/
ユーザー |
36,000円/月/
ユーザー |
Service Cloud
Service Cloudとは、CRMツールです。CRMとは、Customer Relationship Managementの頭文字を取ったもので、顧客(Customer)との関係(Relationship)を管理(Management)することを意味します。
一言でいうと、「顧客と良好な関係を築き、リピーターになってもらう」ことを意味し、顧客のきめ細やかな情報を一元管理し、次の行動に移るための土台を築いていきます。
セールスフォースのService Cloudには、以下のような多様なサービスが用意されています。
ココがポイント
- 対話によるパーソナライズされたサービス:LiveMessage、Lightningコンソール、Lightningスナップイン
- AI(人工知能)を活用したスマートなサービス:サービス、Wave、コミュニティ向けにSalesforceのEinsteinを利⽤できる
- モバイルでつながるサービス:Field Service Lightning、IoT Cloud
Service Cloudの料金プランは以下の通りです。
Essentials | Professional | Enterprise | Unlimited | |
料金(税抜き) | 3,000円/月/
ユーザー |
9,000円/月/
ユーザー |
18,000円/月/
ユーザー |
36,000円/月/
ユーザー |
Marketing Cloud
Marketing CloudとはMAツールです。MAツールとは、Marketing Automation Toolの略語で、マーケティング活動を自動化してサポートするツールです。
機能としては、見込顧客情報の一元管理・育成、購買意欲の高い見込顧客のスコアリング、絞り込み、メール配信です。
セールスフォースのMarketing Cloudでは、メールやSNSによるアプローチに対する反応を可視化・分析でき、より効果のある施策の実施に役立ちます。
また、Marketing CloudとSlack(チャットツール)との連携でスピーディーなプラン作成・行動し、チームとパートナーのスムーズな連携も可能です。
Marketing Cloudには3つのプランがあり、それぞれ機能や価格が異なっています。
メール、モバイル、Webマーケティング | ソーシャルメディアマーケティング | デジタル広告 | |
料金 | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 要問い合わせ |
Pro | 直感的なセグメント
メールおよびモバイルに最適化されたテンプレート A/Bテスト コンテンツ管理 ワークフロー など |
ソーシャルアカウント10件
月間25万件のメンション 顧客情報の収集 作成したコンテンツをSNS上で公開 主要なSNSアカウントの管理 など |
なし |
Corporate | Proの全機能
ワークフローの自動化 キャンペーンの自動化 Webとモバイルの分析など |
Proの全機能
ソーシャルアカウント20件 月間150万件のメンション 投稿・更新・メッセージ送信の自動化 Service Cloudとの連携によるソーシャルケア |
なし |
Enterprise | Corporateの全機能
カスタマージャーニーの設計 AIによる複数チャネルでのコンテンツ予測など |
Corporateの全機能
ソーシャルアカウント50件 月間750万件のメンション |
なし |
Salesforce Platform
セールスフォースでアプリケーションを提供したいときには、Salesforce Platformを使って開発・実行・管理がプログラミングなしで開発できます。
アプリケーションの開発により、顧客のブランド認知を高めて従業員同士の連携を強化し、社内のビジネスプロセスの合理化・自動化・モバイル化も実現します。
顧客関連では、要望に応じたアプリケーションの開発もでき、顧客満足度の向上に貢献します。
Sales Platformのプランは2種類です。
Lightning Platform Starter | Lightning Platform Plus | |
料金(税抜き) | 3,000円/月/ユーザー | 12,000円/月/ユーザー |
セールスフォースのインサイドセールス導入メリット
セールスフォースを活用してインサイドセールスを導入すると、以下のようなメリットがあります。
- 営業活動の最大化・効率化
- プラットフォーム上で必要なツールがすべて使える
- 部門間の共有が容易になる
- セキュリティが高い
- スマホでも利用できる
- サポートが手厚い
営業活動の最大化・効率化
インサイドセールスのメリットは、営業範囲の拡大と営業プロセスの効率化が図れることです。セールスフォースの活用により、低いコストでより多くの手段を使った営業活動ができます。
自社コンテンツに興味を持ってくれた見込顧客に対しては、シナリオに沿った対応を決めておくと、効果的かつ効率的に営業活動ができます。大手企業に対しては、対象をフィルタリングすることで、費用対効果も高まるでしょう。
プラットフォーム上で必要なツールがすべて使える
セールスフォースには、MA・SFA・CRMなどの機能がすべてそろっています。ひとつのプラットフォーム上で必要なツールを使い分けることが可能です。いちいち別のツールを用意する必要はありません。
どのツールもセールスフォース・ドットコム社が提供しているものなので、ツール同士の連携も容易です。
部門間の共有が容易になる
セールスフォースでは、1つのプラットフォーム上でデータの共有・連携ができるようになっています。
そのため、異なる部門間、たとえば営業部門とマーケティング部門、カスタマーサポート部門の間でのデータの共有もしやすいです。
セキュリティが高い
セールスフォースはセキュリティの高さでも定評があります。例えば、プロファイルごとにログイン用のIPアドレスを設定できます。
組織全体のIPアドレスがあっても、ユーザーはプロファイルごとのIPアドレスを許可されていないとログインできません。
このほか、トランスポートレイヤセキュリティ (TLS)技術、外部 URL へのリダイレクトの管理、監査機能、Salesforce Shieldなどにより多角的なセキュリティ対策を実施しています。
スマホでも利用できる
セールスフォースにはモバイルアプリ版もあるので、スマホでも顧客データの管理・確認ができます。訪問先の顧客のデータを予め調べておきたい場合は、モバイルアプリ版を利用することで、外出先からも事前にチェックできます。
サポートが手厚い
セールスフォースはサポートが手厚く、24時間365日電話サポートに対応しています。また、フォームからも問い合わせできます。
コミュニティに参加して他のユーザーの支援を受けることも可能で、オンライン学習や動画コンテンツも用意されています。
セールスフォースの導入前から導入後までしっかりしたサポートを受けられるので、とても安心です。
セールスフォースのインサイドセールス導入事例3選
セールスフォースを活用したインサイドセールスの導入で、成功した企業もたくさんあります。そのうちのいくつかの事例を取り上げて紹介します。
- 就活支援会社の導入事例
- カタログ販売企業の導入事例
- 化粧品会社の導入事例
就活支援会社の導入事例
ある就活支援サービス会社の事例です。この会社では、学生に就活支援サービスの提供や、法人顧客とのマッチングなどの業務を行っています。
ただ、情報やノウハウの属人化により、迅速な状況把握や安定したサービス提供に支障をきたしているのが課題でした。
そこでセールスフォースの導入を決定し、各クラウドを次々に取り入れて連携して活用し、大きな成果を上げました。
数値の集計・分析コストは1/12以下に、マーケティングメールの開封率・クリック率は2倍になるなどの成果のほか、それまで属人化していた業務が共有されるようになりました。
そのため、だれもが最適なサービスを提供できるようになったほか、マネジメント層も各種数値の把握がすぐにできるようになり、次の施策を打ち出しやすくなりました。
カタログ販売企業の導入事例
次は、カタログ販売企業の導入事例です。同社では、2019年に専属の営業・マーケティング部署を設置し、業務の拡大を図りました。
ただ、当時の課題として、継続的にコンタクトできない顧客、定着化の支援が不十分な例がありました。
そこで、セールスフォースを導入して情報一元化しました。複数のシステムにアクセスする必要がなくなり、シナリオごとに顧客に適切なタイミングでメールを自動配信するシステムも作成しました。
これらの取り組みの結果、担当者1人当たりの顧客獲得数が4倍増になりました。
化粧品会社の導入事例
最後に紹介するのは化粧品会社の事例です。同社では、メール、通話、店舗やウェブサイトへの訪問などを通して、パーソナルな顧客体験を提供することを目指しています。実店舗での体験をデジタルの世界でも実現し、顧客に最高の楽しみを与えるのです。
そのための方法として、セールスフォースを活用し、顧客一人一人に合った体験とサービスを提供しました。
結果として、新製品を自信をもって勧められるようになり、顧客体験の継続的な向上にもつながっています。
まとめ
セールスフォースを活用した、インサイドセールスについて解説しました。インサイドセールスでは、メールや電話、SNSなどを使い、見込顧客へ直接アプローチして購買意欲を高めることが役割です。インサイドセールスは、マーケティングから成約に至るまでの重要なポジションです。
ぜひセールスフォースを活用していただき、インサイドセールスを成功させていただければと願っています。
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