多くの企業では、ビジネスにおいて必須アイテムであるスプレッドシートとエクセルのいずれかで顧客管理をしています。
この記事では、スプレッドシートやエクセルを使った顧客管理の利点や注意点、またそれ以外でおすすめの顧客管理システムをご紹介します。
目次
スプレッドシート/エクセルで顧客管理をする利点とは?
まずスプレッドシートやエクセルで顧客管理をすることの利点をご紹介します。
- 無料で作れる
- テンプレートが使える
- 誰でも作成可能
無料で作れる
スプレッドシートやエクセルの最大の利点は、費用がかからない点です。
多くの企業において、データの管理をいずれかのツールで行うことが一般的なので、その延長で顧客管理も行うことができます。
テンプレートが使える
2つ目の利点が、無料で数多くのテンプレートが利用できる点です。
顧客管理に特化したテンプレートは少ないですが、既存のデザインを応用することで、顧客管理にも対応可能です。
またテンプレートは無料で利用できるものが多く、コストを抑えながら運用できます。
誰でも作成可能
スプレッドシートやエクセルは、ビジネスマンであれば誰しもが一度は使ったことのあるツールだといえます。
そのため、ビジネス規模がそこまで大きくなく、簡易な顧客管理であれば、誰でも作成可能な点にも、利点があります。
スプレッドシート/エクセルで顧客管理をする注意点
スプレッドシートやエクセルでの顧客管理は無料で作れる点やテンプレートが使える点などの利点がある一方で、注意点もあるので続けてご紹介します。
- セキュリティ上のリスク
- 手作業のため負担が増える
- 顧客管理には向いていない
セキュリティ上のリスク
スプレッドシートやエクセルはクラウドでの利用ができますが、クラウドで利用するうえでは以下のリスクが発生します。
- 情報漏えい
- アカウントの不正利用
- クラウドのサーバートラブル
1.情報漏えい
サイバー攻撃やコンピューターウイルスなどの要因で、クラウド上に保存している情報が外部に漏えいする可能性があります。
そのためクラウド上に保存する情報の性質を慎重に判断し、万一に備えておくことが重要です。
また各ツールに対応するクラウドサービスのセキュリティ対策や情報が漏えいした際の保証範囲などの規約を、あらかじめよく確認しておきましょう。
2.アカウントの不正利用
コンピューターウイルスに感染するなどしてクラウドの登録IDやパスワードが流出し、アカウントを不正に利用される恐れがあります。
もし流出したIDやパスワードを使いまわしている場合は、他のサービスも不正ログインされてしまいますし、逆に他のサービスからクラウドに不正アクセスされて顧客情報を盗まれかねません。
そのため、各サービスごとにIDやパスワードは異なるよう設定し、使いまわしを防ぎましょう。
3.クラウドのサーバートラブル
利用しているクラウドのサーバーにトラブルが発生すると、回復するまでアクセスできなかったり、最悪の場合保存している情報が紛失されてしまう可能性もあります。
重要な情報を扱う場合、普段はクラウド上で編集や更新作業を行っていたとしても、最新の情報は必ず別のシステムか、PC上に保存してバックアップを取っておくなどの対処を行ってください。
手作業のため負担が増える
スプレッドシートやエクセルでは、基本的にすべての管理が手作業です。
数式やマクロの知識があれば、表作成や計算など効率的に行える場合もありますが、もととなる基本情報はどうしても手作業で入力していく必要があります。
顧客管理を無料で運用できる一方、営業担当者の作業的な負担が増えたため結果的に営業活動の効率が落ちてしまう場合があります。
営業担当者の負担が増えてしまうと、結局作業から遠ざかり、運用をしなくなってしまう事態にもなりかねません。
入力作業は外部の専門業者に委託するか、顧客管理専門のツールを使用するなどの打開策も検討してみるといいでしょう。
顧客管理には向いていない
本来スプレッドシートやエクセルは、表計算用のツールであって、顧客管理を目的としたものではありません。
そのためデータベース化や部門間での共有などの課題があり、顧客管理には向いていないという側面があります。
スプレッドシートやエクセルを顧客管理に利用する際には、あらかじめルールを取り決めておくなどの工夫が必要です。
顧客管理に特化したツールを利用することも検討してみてください。
【顧客管理システム】スプレッドシート以外でおすすめのソフト
スプレッドシートやエクセルで顧客管理する際の利点や注意点について確認してきましたが、ここではそれ以外でおすすめの顧客管理システムをご紹介します。
SFA
SFAとはSales Force Automationと略称で、和訳すると「営業支援システム」を指します。
SFAは営業活動における効率化を目指し、業務の一部を自動化するシステムのことです。
具体的には、見込み顧客の開拓、管理から、商談、クロージングまでの、営業活動における一連の流れのすべて、または一部の機能があり、受注率や売上の向上へとつなげていきます。
また複数人で利用することを前提として開発されたシステムのため、部門間での共有が容易で、営業的な戦略を立てる際にも重宝されます。
SFAの主な機能を4つご紹介します。
- 見込み顧客の管理
- 商談
- クロージングに向けた営業活動全体の管理
- 売上管理
1. 見込み顧客の管理
SFAで顧客管理が可能です。
顧客の会社名や所在地、電話番号や担当者などの基本情報から、やり取りの履歴など全ての情報を一元化して管理できます。
SFAによって、名刺情報を自動で読み込むことのできる機能や、SNSやチャットでやり取りした履歴を自動で残せる機能を有するものもあるので自社に合ったタイプを選べます。
2. 商談
商談の確約からやり取りの履歴の管理もSFAで一括で行えます。
過去の商談で話した内容を営業担当者が把握しておくことで、最良の情報を顧客に提供することが可能です。
3. クロージングに向けた営業活動全体の管理
SFAには営業担当者のクロージングに向けた活動全体を管理する機能も備わっています。
活動全体とは、新規顧客へのアポイント数や訪問数、商談回数や受注率を指し、これら全てを数値化して管理することが可能です。
SFAの全体管理では、営業担当者の活動を見える化してより効率的に行えるようにするのはもちろん、PDCAサイクルを回すことにもつながりやすいので、結果的に部署や社内全体でのモチベーションがアップするという効果も期待できます。
4. 売上管理
最後にご紹介するSFAの主な機能は、売上管理です。
売上管理とは、目標の設定から予測を立て、最終的に予実管理を行うことです。
営業担当者別、顧客別、商品別などの条件で絞って売上を予測することができ、実績との比較も同時に行えます。
案件ごとに売上目標を立てて実績との比較を行っていくことで、より着実に社内全体の目標達成へとつなげていくことが可能になります。
以上のように、営業活動全体を通して支援してくれるシステムSFAですが、導入して運用するにはノウハウが必要です。
もし社内にノウハウがない場合でもSFAの導入や運用をサポートしてくれる企業があるのでご安心ください。
SFA企業についてより知りたい方は、以下の比較記事も参考にご覧ください。
CRM
CRMとはCustomer Relationship Managementの略称で、和訳すると「顧客関係管理」を指します。
顧客との関係性を管理することで売上目標の達成を実行するということですが、具体的には名刺や会社の基本情報、商談ややり取りの履歴などの顧客情報をデータベースに一元化して管理していくことです。
また、それ以外にも新規顧客からの問い合わせフォームを作成したり、情報を分析したりなど、営業活動全体を支援するさまざまな機能を有しています。
一元化された顧客情報は容易に共有することができるので、社内全体で共有の認識をもったうえで営業活動に取り組めます。
営業活動における顧客情報を一元化して管理できるCRMツールですが、既述のSFAと共通する機能があります。
実はCRMの機能は基本的にSFAツールにも搭載されていることがほとんどです。
CRMは顧客との関係性自体を管理し、SFAは営業活動全体を通して案件ごとの管理を行っています。
SFAの案件管理においては、進捗具合や商談の履歴、クロージングまでの予定を立てるなどの機能があり、その中で顧客情報も必須です。
そのため、CRMは顧客情報の管理のみが主な機能で、CRMを活かして営業活動全体の見通しを立てるシステムがSFAツールだといえます。
CRMで顧客管理を行いたい場合も、まずSFAを導入してみましょう。
さらに詳しく
おすすめの顧客管理システム
最後に、おすすめの顧客管理システムを4つご紹介します。
- Sales Cloud
- SFA Hands-on
- Zoho CRM
- Kintone
Sales Cloud
公式サイト:https://www.salesforce.com/jp/products/sales-cloud/overview/
「Sales Cloud」はセールスフォースジャパンが提供するSFAツールです。
セールスフォースは言わずと知れた、世界トップシェアを誇る顧客管理ツールです。
営業活動全体を通して、顧客や案件の進捗状況などの情報を共有し、見込み客、顧客、案件、売上予測などを管理するための営業支援を行い、売上目標の達成を実現していきます。
Sales CloudはクラウドSFAサービスなので、接続するPCやタブレット等のデバイスとネット環境さえ用意すれば、いつでもどこでも利用可能で簡単に始められる点にメリットがあります。
一方注意点として、Sales Cloudはランニングコストが高めに設定されている点が挙げられます。
クラウドサービスのため初期費用は不要ですが、サービスを継続して利用するためのランニングコストが、高機能である分、高めの設定です。
そのため、Sales Cloud導入を検討する前にはネームバリューで選ぶのではなく、本来の目的達成のために本当に必要かどうかを社内で検討するようにしましょう。
また、Sales Cloudは導入自体は簡単ですが、本来の機能そのままで運用するケースは稀で、実際は自社に合わせたカスタマイズを施しているケースがほとんどです。
そのため初期費用はかからないとはいえ、理想通りのシステムで運用を開始するためには、ある程度カスタマイズの費用が必要になってくることを念頭に置いておきましょう。
【ポイント】
ココがポイント①
さまざまな機能
Sales Cloudには、やり取りなどの記録や情報共有、顧客情報を自動で取り込む機能などさまざまな機能が備わっており、用途にあわせた利用が可能です。
ココがポイント②
高いカスタマイズ性
システムを簡単に、フレキシブルにカスタマイズできることも特徴のひとつです。
そのためITの知識がそれほどなくても、多くの人が利用しやすい仕様になっています。
【料金体系】
sales Cloudの料金体系には大きく4つのプランがあります。
Sales Cloud | 料金 | 内容 |
Essentials | 3,300 円/ユーザー/月 | シンプルに始められる、ユーザー数10名までのCRM |
Professional | 9,900 円/ユーザー/月 | あらゆる規模のチームに対応する包括的な CRM |
Enterprise | 19,800 円/ユーザー/月 | 自社に合わせた細かいカスタマイズが可能なCRM |
Unlimited | 39,600 円/ユーザー/月 | CRM 機能とサポートが無制限 |
SFA Hands-on
公式サイト:https://goofy-inc.com/hands-on/
・ベンチマークと公式サイトを参考に特徴を解説してください
株式会社goofyが提供するサービス「SFA Hands-on」では、クライアントごとにカスタマイズされた最適なSFAを提案しています。
インサイドセールスからフィールドセールスにおける各機能において、導入の設計から運用代行、クロージングまでをhands-on型で行っており、同社が保持する120万社のリストを利用した営業活動の実施が可能です。
また、WEBランディングページ、営業資料、ホワイトペーパー、動画などのコンテンツの制作や運用にも対応しています。
営業支援に関わる業務全体を代行してもらいたい場合にもおすすめです。
また運用サポートも充実しており、システムを導入後に定着化せず形骸化してしまうといった課題に対して、運用が定着するまで徹底的に寄り添った支援を行っています。
【ポイント】
ココがポイント①
独自のサービスと提供スキーム
独自のスキームによって、月に3人分の稼働が必要だった作業が1人で提供可能になります。
また専任担当者がついてくれるので、手が足りない、操作がわからないといった課題の解決が即座に可能です。
ココがポイント②
確実な運用定着
ヒアリングから各社に合わせて実現可能な目標を設定し、達成までの具体的な作業や取り組みを明示しています。
CRMシステムを導入して終了ではなく、運用と定着までの責任を持った支援が特徴です。
ココがポイント③
コストパフォーマンスの高さ
システムを導入することで実質1人分の稼働時間が削減できるので、人件費などの大幅な削減につながります。
社内で人材を育成したり新たに採用するよりも、低コストでリスクを抑えたうえで安定した成果を得ることが可能です。
【料金体系】SFA Hands-onの料金体系には大きく3つのプランがあります。
SFA Hands-on | 料金 | 内容 |
Standard Plan
(SFA/CRM、MA運用でお困りの企業に) |
60万円/月 | ・SFA/CRM、MAツール選定/導入
・SFA/CRM、MA運用構築支援 ・週1回定例MTG実施 ・データインポート、入力補助等 ・SFA/CRM、MAを活用した戦略実行支援 |
Light Plan
(SFA/CRM、MAをライトに導入したい企業に) |
20万円/月~ | ・SFA/CRM、MAツール選定
・SFA/CRM、MA導入支援 ・月1回のシステム操作勉強会実施 ・月1回定例MTG実施(上記とは別) ・適宜コミュニケーションチャンネルでの質疑応対 |
Professional Plan
(収益改善をしたい企業に) |
120万円/月~ | ・SFA/CRM、MA運用構築支援
・週1回定例MTG実施 ・SFA/CRM、MAツールと連動した システム周り設計(Ipaas導入等) ・高度な設計(API、プロセスビルダー、その他自動化対応) ・週1回戦略支援コンサルティングMTG実施 |
Zoho CRM
公式サイト:https://www.zoho.com/jp/crm/
・ベンチマークと公式サイトを参考に特徴を解説してください
「Zoho CRM」はZoho社が提供する顧客管理ツールです。
Zoho CRMは世界25万社で導入されており、現在も多くの企業から支持されています。
あらゆるニーズに対して柔軟に対応することで、システムの形骸化を防ぐことも目的としています。
また幅広い分野に対応可能で、さまざまな機能と誰でも扱いやすいUIを備えたシステムを採用しており、機能性や操作性の高さが特徴です。
高い性能をもつCRMを低価格で提供している点に、Zoho CRMが支持されている理由があります。
【ポイント】
ココがポイント①
安心の導入サポート
まず豊富な経験を持つ担当者がヒアリングを通してニーズに合わせたCRMを設計したうえで導入を行っています。
またお試し期間が設けられており、使い方の解説や初期設定のトレーニングが受けられるので安心です。
プランによっては、メールでのサポートを何回でも無料で受けることができ、運用後のサポートも含めると全体的なコストを抑えたCRMの運用が可能です。
ココがポイント②
オーダーメイドCRMの構築
企業に合わせてCRMのレイアウトを柔軟にカスタマイズでき、必要な情報だけをレイアウトに組み込むことで使いやすく、ビジネス環境を整えてくれます。
また複雑になりがちなアクセス管理も柔軟に設定できるので、状況の変化にも迅速に対応することが可能です。
【料金体系】
Zoho CRMの料金体系には大きく4つのプランがあります。
Zoho CRM | 料金 | 内容 |
スタンダード | ¥1,440
1ユーザー/月額 |
・データストレージ10万件(200MB)
・CRM |
プロフェッショナル | ¥2,400
1ユーザー/月額 |
・データストレージ約500万件(10GB)
・CRM ・ベーシックSFA |
エンタープライズ | ¥4,200
1ユーザー/月額 |
・データストレージ約500万件(10GB)
・CRM ・ベーシックSFA ・エンタープライズSFA ・最新トレンド機能 |
アルティメット | ¥5,400
1ユーザー/月額 |
・データストレージ約500万件(10GB)
・CRM ・ベーシックSFA ・エンタープライズSFA ・最新トレンド機能 ・機能制限の拡張 |
Kintone
公式サイト:https://kintone.cybozu.co.jp/
・ベンチマークと公式サイトを参考に特徴を解説してください
「kintone」は、サイボウズ株式会社が提供するデータベース型のクラウドのCRMで、20,000社以上で導入されている信頼できるツールです。
【ポイント】
ココがポイント①
連携やカスタマイズ性の高さ
kintoneではシステムの連携やカスタマイズが柔軟で、機能拡張などがスムーズに行えます。
各社に合わせた使いやすい仕様にカスタマイズして、業務の効率化を実現することが可能です。
ココがポイント②
ランニングコストの低さ
ランニングコストが低めに設定されているという点がkintoneを利用するメリットのひとつです。
最安だと月額7,500円から利用することが可能です。
【料金体系】
kintoneの料金体系には大きく2つのプランがあります。
kintone | 料金 | 内容 |
スタンダードコース | 月額1,500円/1ユーザー | 外部サービスとの連携、プラグイン、拡張機能が利用可能 |
ライトコース | 月額780円/1ユーザー | 外部サービスとの連携、プラグイン、拡張機能が利用不可 |
まとめ
スプレッドシートやエクセルでの顧客管理は、無料でテンプレートが使えたり、誰でも容易に作成できたりする利点があります。
一方、セキュリティのリスクや手作業による負担の増大など、顧客管理のために作成されたツールではないからこその注意点もあります。
そこで、自社のビジネスの規模に合わせて、管理する情報が多い場合や社内全体で共有して管理したい場合は、スプレッドシートやエクセル以外の、顧客管理専用のシステムを導入することも検討してみましょう。
顧客管理システムを利用することによって、より効率的な営業活動が実現でき、結果的に人件費などのコスト削減につながる可能性があります。
顧客管理システムの導入や運用のサポートをしている各企業の特徴をまとめた以下の記事も参考にしながら、ぜひ検討してみてください。
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