「リード」とは、見込み顧客のことを指します。
企業は、見込み顧客を獲得するために日々さまざまな営業活動を行っており、これを「リード管理」と呼びます。
近年におけるリード管理は、セールステックの1つ「CRM」で正確に管理することが可能です。
しかし、CRMでのリード管理を理解しているビジネスマンはまだ少ないようです。
この記事では、CRMを活用した「リード管理」についてくわしく解説していきます。
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目次
CRMとは?
CRMとは「Customer Relationship Management」を略した言葉で、直訳すると「顧客関係管理」となりますが、顧客管理システム(CRMツール)を指すことが多いです。
CRMツールを使用することで、効率的に顧客の管理が行えるので顧客情報を多く持つ企業は必須のツールと言えます。
顧客との良い関係を構築していくためには、年齢や性別、地域や職業などの情報の管理や、顧客とのコミュニケーションの管理が必要になってきます。
このような顧客情報は、これまで営業担当がそれぞれ自己で管理して顧客対応をしていました。
しかし、人材不足やIT技術の進歩や、管理すべき顧客情報も時代の流れとともに増えたことが理由で、個々の営業マンでは対応が困難となってきています。
そこで、効率的に顧客情報を管理するため、活躍してくれるのがCRMツールです。
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CRMを利用したリード管理とは?
ここでは、CRMを利用したリード管理について解説していきます。
- リード管理とは?基本的な流れ
- CRMを用いてリードナーチャリングを行なう
リード管理とは?基本的な流れ
リード管理とは、リード(見込み顧客)の情報を管理することを意味します。
たとえば、顧客の企業名(指名)や住所、年齢や性別などの情報はもちろん、これまで実施してきた営業活動の履歴やヒアリング内容、受注確度などを蓄積・管理していきます。
さらに、顧客との関係性を管理していくことがリード管理のポイントです。
リード管理の基本的な流れは、以下の3つとなります。
- リードジェネレーション
- リードナーチャリング
- リードクオリフィケーション
それぞれ解説していきます。
リードジェネレーション
リードジェネレーションとは、「見込み顧客の発掘」を意味します。
マーケティング活動において、一番最初の段階における営業活動です。
展示会やセミナーを開催したり、広告やDMなどを送付したりしてリードを獲得します。
また、自社のWebサイトにてコンテンツマーケティングを行い、資料請求やホワイトペーパーのダウンロードなどにつなげてリードを獲得します。
リードナーチャリング
リードナーチャリングとは、「見込み顧客の育成」を指します。
リードジェネレーションによって発掘された見込み顧客に対して、電話やメール、チャットやWeb会議ツールなどを活用して、顧客へアプローチします。
顧客の購買意欲を高めることが目的なので、まだ情報収集中の段階である顧客へは、メルマガやDMの発送などで適切なタイミングと有益な情報を提供することにより、自社のファンを増やします。
最近では、公式SNSのアカウントを作成して顧客へコメントをするなどして、自社商品の認知度を高める手法も増えてきました。
リードクオリフィケーション
リードクオリフィケーションは、リードの選別を意味します。
獲得したリードのナーチャリングでは、育成されるスピードは顧客によってさまざまです。
扱う商品やサービスが高額なもので顧客が企業であれば、会社によって予算取りのタイミングや、検討する期間も異なってきます。
また、顧客が個人であれば興味の高まり方は千差万別なので個人差がでてきます。
したがって、見込み顧客にはステータスがさまざまであるため、ステータスによってリードの情報をセグメント分けします。
CRMを用いてリードナーチャリングを行なう
上記にあげた3つの中でも、リードナーチャリングについては、リードに対して長期的にアプローチをする必要があるため手間がかかります。そこで、CRMツールが役立ちます。
CRMツールは、リードの行動履歴を管理できたり、現在どれくらいの購買意欲があるのかを可視化できたりします。
また、メルマガなどの配信は、適切なタイミングで行わないとかえって顧客が離れていってしまいます。
しかし、CRMでは顧客それぞれにあった最適なタイミングと、有益な情報を発信することが可能となります。
それにより、中長期的なリードへの効率的なアプローチができるようになります。
CRMでリード管理をするポイント5選
ここからは、CRMツールを使ってリードを管理するポイント5つについて解説していきます。
- 顧客情報は詳細を整理・管理する
- 他部署との連携を強化
- 業務の属人化を避ける
- 新規リード獲得のためのアプローチ
- 中・長期的な視点で取り組む
1.顧客情報は詳細を整理・管理する
リードの管理は、詳細な顧客情報を整理しなければなりません。必要な詳細情報を次にあげます。
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 購買履歴
- サービスや商品の使用目的、頻度
- セミナーや展示会への参加状況
- 自社サイトへのアクセス履歴
- 資料請求やホワイトペーパーなどのダウンロード履歴
- アンケートの結果など
これらの情報を適切かつ正確に管理することで、より効果的なリードナーチャリングが可能となります。
ただし、情報は常に更新することが重要です。不正確な情報のままだと顧客への最適なアプローチができません。なぜなら、セミナーへ参加したことのある顧客へ電話でアプローチした際、「いえ、私セミナーに参加したことがあるのですが、、、」などとなってしまい、自社に対して不信感を煽ってしまうからです。
したがって、情報が古くならないように逐一更新しておく必要があります。
2.他部署との連携を強化
CRMで管理している顧客データは、他部署との連携により情報を共有することでツールとして最大限に活かすことが可能となります。
マーケティング部門との情報共有により、自社サイト上で顧客がどのような行動をしているかを分析することで、Webデザインを変更したり、資料請求などのコンバージョンへ繋がりやすい設計へカスタマイズしたりするための参考となります。
また、フィールドセールス部門との連携により、ナーチャリングされたリード情報をリアルタイムで共有することによって、購買意欲が高まった良きタイミングで営業が客先へ訪問できるので、成約率の向上を実現できます。
これは、売上の最大化を目指すためには最も効果的なCRMツールの活用方法です。
3.業務の属人化を避ける
従来の営業スタイルでは、案件情報や顧客情報を各々の営業マンが管理していました。
担当の営業が自己や病気で長期の離脱を余儀なくされたり、突然の異動や退職となったりした場合、十分な引き継ぎもできずに顧客へ迷惑をかけてしまうことも多々ありました。
筆者の経験では、同僚の営業マンがインフルエンザにかかってしまった際、顧客からの問い合わせがある度に担当へ電話やメールで確認をとっていたことがありました。
それでは、しっかり休養をとることもできなくとても非効率です。また、顧客に対しても「この会社は、社内で情報がシェアされていないのか、、」という印象をあたえてしまいかねません。
しかし、CRMによって顧客情報が蓄積・共有されていればこのようなことにはならず、属人化のリスクの軽減が可能となります。
4.新規リード獲得のためのアプローチ
マーケティング部門の役割は、リードジェネレーション(見込み顧客の獲得)です。
CRMでの顧客情報の共有により、Webサイト上の顧客の行動を分析することでSEO対策に役立てられます。
SEOとは(Search Engine Optimization)の略で検索エンジン最適化を意味します。
それにより、検索による自社サイトへの見込み顧客の流入を増やしたり、新規の資料請求数(コンバージョン)を増やすことが可能となります。
5.中・長期的な視点で取り組む
CRMを活用したリード管理は、導入してすぐに結果が出るわけではありません。
なぜなら、顧客との関係をマネージメントすることで、より良い顧客との関係が構築されて結果的に成約に結びつくというマーケティング手法だからです。
リードの育成にも時間がかかります。定期的に顧客へアプローチしていくことで、顧客の購買意欲を徐々に高めていきます。
また、CRM導入直後は顧客データが少ないため、データ分析に活かすことができません。
データが蓄積されるまでには時間がかかるため、中・長期的なスパンでの取り組みが必要となってきます。
CRMのリード管理活用方法
ここでは、CRMの活用によるリード管理の活用方法を解説いたします。
- ナーチャリングアプローチ
- ナーチャリングの効果測定
- スコアリングの集計・見直し
- スコアリングから分類・再アプローチ
ナーチャリングアプローチ
リード(見込み顧客)に対する、ナーチャリングアプローチには以下のように様々な手法があります。
- 架電
- メール配信
- セミナー
- SNS
それぞれ解説します。
架電
昔からある電話によるアプローチは、現在でも多く使われるアプローチ手法です。
顔が見えないため、現在ではWeb会議を活用する企業も増えています。
メール配信
メールによるアプローチは、メルマガ、ステップメールなどがあります。
ステップメールは、リードクオリフィケーションによって選別されたリードごとに、合致した内容のメールを配信します。
その際、類似商品などの情報も一緒に配信することで、クロスセルを狙います。
セミナー
ネットなどの情報だけでは、いまいち理解しきれていないユーザー向けに、初心者向けの商品説明会などを開催してリードを育成します。
また、最近では非対面のオンラインセミナーなども活用する企業も増えてきました。
予め録画した動画を配信するだけなので、時間とコストの節約にもなります。
SNS
公式のSNSを開設して自社の認知度の拡大を狙います。
フォロワーには情報収集段階のリードも多いため、効果的なナーチャリングを行えます。
また、SNS上にセミナーの動画を流すことで、より認知度を高められます。
ファンとなってくれたフォロワーが、拡散してくれることも期待できます。
ナーチャリングの効果測定
リードに対して、どれだけナーチャリングの効果があったかを測定します。これを「アクショントラッキング」と言います。
どのセグメントのリードへ、どのようなアプローチが効果的だったかを測定して、その後のアプローチ方法の参考にしていきます。
スコアリングの集計・見直し
アクショントラッキングをしたリードの情報を集計して、スコアリングの見直しをします。
たとえば、最終提案を実施した顧客は「A」、競合との比較段階は「B」、資料請求など情報収集中では「C」などに分類します。
スコアリングから分類・再アプローチ
上記によってスコアリングされた顧客の情報を、対象サービスや顧客の予算などによって分類し、正確なセグメント分けをします。これを「フィルタリング」と言います。
これによって、より精度が高まったセグメントをもとに、改めてナーチャリングアプローチをしていくというサイクルを回していきます。
まとめ
リード管理とは、CRMを活用して効果的に成約へ結びつけるためのマーケティング手法です。
定期的に、電話やメールなどによるアプローチによって顧客との関係を深めたり、ナーチャリングを行ったり、新たなリードを発掘したりします。
なお、CRMを導入すれば、すぐに結果が出るわけではありません。CRMを活用したリード管理は、結果が出るまでには時間がかかります。
中・長期的な視点で取り組み、顧客のデータを蓄積して分析することで、その後のマーケティング活動に活かすようにします。
また、顧客情報をリアルタイムで蓄積することにより、これまで属人的になりがちであった営業情報も、社内で共有することで属人的リスクを軽減できるようになります。
そして、過去の顧客との商談記録や、提出した提案書などの案件情報が閲覧可能なので、新人や若手のスタッフの教育にも役立てることが可能です。
この記事が、CRM導入のきっかけとなれば幸いです。
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