営業組織管理

営業組織の立ち上げとあるべき姿に必要なプロセスとフレームワークを解説

営業組織の立ち上げとあるべき姿に必要なプロセスとフレームワークを解説 新たな事業やサービスを展開するにあたり、営業組織の立ち上げを検討している方も多いのではないでしょうか。

 

どのように営業組織を立ち上げれば、効率よく成果の上がる組織ができるのかについて、あまり理解できていない営業責任者の方もいらっしゃるかもしれません。

 

営業組織を立ち上げるなら、適切な4つのステップを踏んで行く必要があります。

 

当記事では、最強の営業組織を立ち上げるための4つのステップとそのポイントを詳しく解説していきます。

 

営業組織を構築していくときに使えるフレームワークも、10個以上紹介しているので、これから営業組織を新しく作りたい方には必見です。

 

【立ち上げ前に】「最強の営業組織」のあるべき姿

【立ち上げ前に】「最強の営業組織」のあるべき姿

営業組織の立ち上げ方法について見ていく前に、まずは「最強の営業組織」とは何なのかを理解しておく必要があります。

 

なぜなら、目指すべき営業組織がイメージできなければ、立ち上げに失敗する可能性が高くなるからです。

 

こちらで紹介する「最強の営業組織」のあるべき姿を確認して、目指すべき理想を固めていきましょう。

  • 最強の営業組織とは
  • 強い営業組織体制が必要な理由

最強の営業組織とは

「最強の営業組織」とは、利益を出し続けることができる営業組織です。

 

安定して営業利益を出し続けることは、企業の存続にとっても非常に重要な要素となります。たとえ、季節の要因で売り上げが減少しても、必ず元の利益水準以上に戻せる胆力が必要になるでしょう。

 

また、構成するメンバーが入れ替わったり、新たな競合相手が現れたりという変化に対しても柔軟に対応し、変わらずに成果を出し続けられる営業組織こそが強い体制といえます。

 

強い営業組織体制が必要な理由

強い営業組織体制が必要な理由は、一言でいえば「安定した収益基盤が必要だから」です。

 

一般的な企業において、営業活動は社内の収益の根幹を担う部門です。他部署がいくらがんばったとしても、営業において顧客が製品やサービスを購入してくれなければ、収益が発生することはありません。

 

だからこそ、どのような状況であっても、営業組織が強固な体制で利益を確保する必要があるのです。

 

具体的には、以下のような状況にも負けない強い営業組織が必要になります。

  • 競合他社の価格競争が激しくなる
  • 新たな特徴をもった企業が参入してくる
  • 営業で利益を上げていたメンバーが退職する
  • マーケティングなどの他部署で失敗がある

 

上記のような変化にも耐えうる営業組織こそが、最強の組織体制といえるでしょう。

 

営業組織の立ち上げのプロセス

営業組織の立ち上げのプロセス

ここからは、営業組織の立ち上げにあたって必要になる具体的なプロセスについて解説します。

 

営業組織を立ち上げてから運用するまでに経るプロセスは、以下のとおりです。

  1. 組織のミッション・目標の設定
  2. 営業プロセスと役割の明確化
  3. 組織としての営業戦略と計画の設定
  4. PDCAの運用とコミュニケーションプランの設定

 

上記の順番を踏んで営業組織を立ち上げなければ、運用してから失敗する可能性も高くなるので、ひとつひとつ注意してチェックしましょう。

 

1.組織のミッション・目標の設定

営業組織の立ち上げで最初にやるべきことは、組織のミッションや目標を設定することです。

 

会社にもミッションやビジョンがあるように、営業組織においても「何のために何をするのか」を設定したうえで行動することが重要になります。

 

会社の経営理念に則したミッションやビジョンを据えてもよいでしょうし、事業独自の組織ビジョンを設定してもよいでしょう。

 

また、営業組織が具体的に会社に対してどのような貢献をするのか、定量的な目標を設定することも大切な意識の共有です。

 

これらのミッションや目標を共有することで、各個人が営業組織への貢献に根差して行動し、高いモチベーションの源泉になります。

2.営業プロセスと役割の明確化

営業プロセスとは、社内の営業活動において「誰が、いつ、どのような業務を、どれくらい行うのか」を細かく設計した、営業業務の流れを意味します。

 

強い営業組織には、明確な営業プロセスと各部隊の役割分担が必須です。

 

営業プロセスが統一されていなかったり、各部隊の役割に関する共通認識がなされていなかったりすると、営業活動に問題が生じやすくなります。

 

また、営業プロセスを作成する際には、まずターゲットとなる顧客の種類や、対応すべきタイミング、具体的な営業内容などを、初回アプローチから受注完了まで詳細に洗い出していきます。

 

その後、各業務をどの部門の誰が担当するのかを当てはめていき、無駄な差し戻しや二重の対応が生まれないように整理していきます。

 

営業プロセスと役割分担が明確になっていれば、誰がどの部署にいてもやることがはっきりしている強固な組織体制を構築できるでしょう。

 

3.組織としての営業戦略と計画の設定

営業プロセスと役割が決定したら、営業において自社がどのように他社に勝っていくのかを定めた営業戦略を設定します。

 

戦略立案では、まず自社と競合の強みを比較する市場分析を徹底しましょう。

 

この市場分析によって浮き彫りになった自社の強みを訴求し、弱みが不利にならないような顧客の選定や、営業手法で勝負する戦略を考えることが重要です。

 

また、最終的なゴールである重要目標達成指標である「KGI」や、中間目標的な役割を果たす重要業績評価指標の「KPI」を設定します。一般的に、営業におけるKGIやKPIはアポイント数や商談数、受注率や受注数となるケースが多いです。

 

各KPIを達成できるように、月間や週間、日毎に何を実施するべきなのか、具体的な計画を立てることまでが3つ目のプロセスとなります。

 

4.PDCAの運用とコミュニケーションプランの設定

具体的な計画までを設定できたら、ビジネスの基本的な考え方であるPDCAのサイクルを回しながら、よりよい営業組織を目指します。

 

実際に運用してみたら効率のよい役割分担が見つかるケースや、計画のずれが生まれるケースも多いので、適宜修正しながら高い生産性を発揮できる組織にすることが必要です。

 

特に、KPIやKGIは、現状の実績とのズレが大きすぎると、モチベーションの低下につながりやすい指標です。

 

常に上を目指す姿勢は理想的ですが、大きなギャップを生んで営業組織が弱体化しないように、ギリギリ達成できるかどうかわからないような目標値を設定しましょう。

 

また、PDCAの運用を組織単位で回していくためにも、コミュニケーションプランを設定することも重要です。

 

コミュニケーションプランとは、営業組織内でどのように情報共有や報告をするのかを定める仕組みのことです。

 

営業組織体制の改善や、ノウハウの共有のためにも、営業活動の運用と同時に活用できる状態にすることをおすすめします。

 

営業組織の立ち上げに必要なフレームワーク

営業組織の立ち上げに必要なフレームワーク

営業組織の立ち上げ時は、様々なフレームワークを活用することで、より強い組織体制の構築につながります。

 

ここからは、営業組織の立ち上げに必要なフレームワークについて、メリットや使い方まで解説します。

  • フレームワークを使うメリット
  • 事業構築に使うべきフレームワーク
  • アイデアに使うべきフレームワーク
  • マーケットリサーチ・分析のフレームワーク

 

フレームワークを使うメリット

ビジネスにおけるフレームワークとは、経営や事業などの戦略立案や課題の解決、意思決定などに活用できる考え方の枠組みのことです。

 

フレームワークをビジネス思考に活用すれば、以下のような効果を期待できます。

  • 頭の中を整理して論理的に考えられる
  • 洗い出しやアイデアの漏れがなくなる
  • 戦略や戦術の社内共有が簡単になる

既存の枠組みを活用するだけなので、ゼロベースで考えなくても、頭の中を整理して論理的で人に伝わりやすい結論を導き出せるのが、フレームワークのメリットといえます。

 

事業構築に使うべきフレームワーク

営業組織において、営業プロセスや役割分担を明確化するときに、事業構築で使えるフレームワークを活用すると論理的でわかりやすく考えられます。

 

特に事業構築で活用できるフレームワークは以下の通りです。

 

フレームワーク 詳細
4P分析 自社の製品やサービスの特徴の把握に役立つフレームワーク。

・Product:製品

・Price:価格

・Place:販売場所、流通

・Promotion:販売促進

上記の4つのPの観点から、特徴を整理していく。

4C分析 顧客視点から自社製品やサービスを分析するフレームワーク。

・Customer Value:顧客価値

・Customer Cost:顧客の支払額

・Convenience:利便性

・Communication:顧客と企業とのコミュニケーション

上記4つのCが示す観点から、顧客側が持つ印象を捉える。

カスタマージャーニーマップ 顧客が自社を利用するまでの態度変容を表した図のこと。

顧客接点から自社製品の購入やサービスの契約まで、どのような心情や行動があるのかを整理する。

 

アイデアに使うべきフレームワーク

アイデア出しの際には、以下のようなフレームワークを活用できます。

 

フレームワーク 詳細
MVV分析 事業や組織の方針を決める際に使えるフレームワーク。

ミッション(使命)、ビジョン(理想像)、バリュー(価値)を定めることで、何をすべき組織なのかを明確にできる。

SCAMPER法 既存のアイデアをさらに拡張させるためのフレームワーク。

・Substitute:代用

・Combine:組み合わせ

・Adapt:適応

・Modify:修正

・Put to other uses:他の使い方

・Eliminate:除去

・Rearrange・Reverse:並び変え・逆転

7つの観点からアイデアをさらに広げる

マンダラート 中心となるアイデアから派生させていくフレームワーク。

9×9個のマスの中心に1つのトピックを書き入れ、その派生アイデアを周囲の8マスに書き込んでいく。

これらのフレームワークを使えば、営業組織のミッションの設定や具体的な計画の設定において、新しいアイデアを創出できます。

 

マーケットリサーチ・分析のフレームワーク

マーケットリサーチ(市場調査)や市場分析においては、4つのフレームワークが利用可能です。

 

フレームワーク
3C分析 自社を取り巻く環境を把握できるフレームワーク。

・Company:自社

・Customer:顧客

・Competitor:競合他社

3者がどのような立ち位置にいるのかを分析できる。

SWOT分析 自社の強み弱みの把握に役立つフレームワーク。

・Strengths:強み

・Weaknesses:弱み

・Opportunities:機会

・Threats:脅威

現状の製品特徴や将来的なビジネスチャンスを把握できる。

PEST分析 自社の外部環境の分析に特化したフレームワーク。

・Politics:政治や法律の動向

・Economy:経済や景気、金融の動向

・Society:社会情勢や世論、価値観やトレンドの動向

・Technology:科学技術の進展やイノベーションの動向

上記4点における変化が自社に対してどのような影響を与えるのかを事前に予想する。

プロダクトライフサイクル 製品やサービスの市場における位置づけを把握するフレームワーク。製品が導入期・成長期・成熟期・衰退期のなかで、どの檀家にあるのかを客観的に把握できる

営業組織を立ち上げるうえでは、営業プロセスの決定や営業戦略の策定において、客観的な指標をもとに意思決定する際に利用するのがおすすめです。

 

まとめ

まとめ

強い営業組織を立ち上げるためには、ただ単に計画やメンバーを決めるのではなく、入念なステップを踏んで構築していく必要があります。

 

ミッションの設定や、営業プロセスや役割分担をおろそかにせず、戦略をもとに具体的な計画をもって立ち上げるようにしましょう。

 

また、紹介したようなフレームワークをうまく活用して、最強の営業組織をつくりだしていただければ幸いです。

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Goofy代表取締役 山本

新卒にてRecuritG入社。
人材派遣/紹介領域で全社年間MVP等複数受賞。
SFA/CRMシステム会社のCSOや複数のベンチャー企業の顧問の経験を経て、営業組織における“インサイドセールス“組織の立ち上げの必要性を感じ、2019年に株式会社Goofyを設立。
当ブログでは、自社ノウハウやSFA/CRM周りの役立つ知識をご紹介いたします。

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