コロナ禍以降のデジタル化の流れもあり、営業を外注するという考え方が急速に広まっています。
なかでも、非対面での営業を実施するインサイドセールスは、注力する企業も増えている営業手法です。
しかし、インサイドセールスの外注費用についてはわからない方も多いのではないでしょうか。
外注費用が高額になれば、セールス活動がうまく行っても意味がなくなってしまうので、費用相場を知ることは企業の課題の1つといえます。
そこでこの記事では、インサイドセールスの外注費用がいくらなのかを徹底解説いたします。
今後、インサイドセールスを外注して導入したい企業担当者の方は必見です。
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目次
インサイドセールスの外注費用の種類
見込み顧客の獲得から商談の創出までを担当するインサイドセールスですが、外注費用は一律で決まるわけではありません。
インサイドセールスの外注費用は、以下の3種類です。
- 固定報酬型
- 成果報酬型
- 複合報酬型
このあと説明する費用相場を適切に理解するためにも、どのように費用が発生するのか理解していきましょう。
固定報酬型(月額制など)
固定報酬型とは、外注した一定の期間や量につき、支払いが発生する報酬形態です。
特に多いのは月額制で、他にも100社など一定のアプローチ企業数につき、報酬を支払う課金制もあります。
固定報酬型のインサイドセールス外注なら、毎月の費用が明確なので予算管理をしやすいという特徴があります。
ただし、成果が多く出たときはコストパフォーマンスがよい一方で、まったく成果が出なくても費用が発生する場合もあるので注意しましょう。
成果報酬型
創出した商談の数や、その後受注につながった案件数などの成果に応じて、報酬を支払うのが成果報酬型の外注費用です。
1ヶ月間に出た成果に応じて発生する方式の費用や、一定の成果に達した時点で費用を支払う方式があります。
成果報酬型費用は、コストパフォーマンスが一定なので、依頼する企業側にとっては安心感のある報酬形態です。
しかし、毎回発生する費用が異なるので、コスト管理としては予測がつきにくいことがデメリットといえます。
複合報酬型(固定と成果の混合)
複合報酬型の外注費用は、固定報酬と成果報酬を組み合わせた報酬体系です。
たとえば、毎月基本の月額料金がすでに設定されており、成果が出た案件の数に応じて追加の支払いが発生するという仕組みがあります。
他にも、基本は固定報酬型の料金設定ですが、結果が出なかった場合には全額返金するなどの形態もあります。
一定の費用が必ず発生するので予算の目途が立ちやすい上、成果に応じて支払いをすればよいという、固定報酬と成果報酬のメリットを同時に得ることが可能です。
しかし、複合報酬型を設定している企業が少なかったり、基本の月額費用が他社より高くなっている場合も多いので、注意しましょう。
インサイドセールスの外注費用の相場
ここからは、インサイドセールスの外注費用の相場を解説いたします。
インサイドセールス外注の費用相場がわかれば、外注という選択肢の検討や営業予算の設定もしやすくなるはずです。
料金体系別に費用相場を紹介したあと、どの料金体系がどのようなケースにおすすめなのかも説明しています。
インサイドセールスの外注先の報酬体系を検討する前に、ぜひ一度ご確認ください。
- 料金体系別の費用相場
- 【企業課題別】おすすめ料金体系
- 費用相場は業務内容や委託企業により異なる
料金体系別の費用相場
料金体系別にインサイドセールスの外注費用を考えた場合には、以下の通りになります。
報酬体系 | 費用相場 | 詳細 |
固定報酬型 | 月額50~70万円程度 | 1日当たり約2万~4万円 |
成果報酬型 | 15,000円~30,000円/アポイント | 商談アポ10件獲得で20万円程度 |
複合報酬型 | 月額20~40万円程度
+10,000円~20,000円/アポイント |
合計月額25万~100万円程度 |
月額報酬型の料金体系は、1か月あたり50万円以上になることが多く、年間換算で600〜1,000万円は予算を確保しておいた方が無難です。
成果報酬型は依頼する内容によっても差がありますが、商談アポイントメントの獲得を成果に設定すると、上記のような費用になることが多いでしょう。
複合報酬型は、月額料金もアポイントメント当たりの費用も、固定報酬や成果報酬よりも安くなります。しかし、料金のばらつきも大きく、失敗や成功のどちらかによった成果が出た場合には、外注費用が高くなる特徴があります。
【企業課題別】おすすめ料金体系
上記の料金体系別の相場を参考に、どのような場合にどの報酬体系がおすすめなのかを解説していきます。
報酬体系 | おすすめの状態 |
固定報酬型 | ・人材不足で長期的に外注での運用を検討している場合
・すでに確立したアプローチで現状の商談アポ数を維持できればよい場合 ・短期的にインサイドセールス代行をスポット活用したいケース |
成果報酬型 | ・現状獲得しているリード数が少ない場合
・利益率の高い商材やサービスを扱っているケース ・持続的に収益が発生する商材やサービスを販売する場合 |
複合報酬型 | ・現状どの程度の商談アポイントメントが獲得できるかわからない場合
・受注に季節性の変動があるケース ・はじめてインサイドセールスに取り組む場合 |
固定報酬型の費用が発生する際は、長期的な外注委託への切り替えや人材不足時の一時的な活用など、割り切った委託におすすめです。
成果報酬型の料金体系は、現状では商談数の見込みが多くない場合の利用をおすすめします。ただし、一度受注できれば多くの利益が出るのであれば、成果報酬型で運用しても良いでしょう。
どちらの報酬体系をもつ外注先に依頼すれば良いのか迷ったときには、複合報酬型の費用が発生する会社が有力な選択肢になります。
費用相場は業務内容や委託企業により異なる
一般的な相場は上記でご紹介したとおりですが、委託する業務内容や委託先によっても大きく異なります。
基本的に外注費用は、業務内容が難しくなればなるほど料金が高くなる傾向があります。なぜなら、より優秀な人材の登用や商材を学習する準備期間が必要だったり、1件の対応に対してより多くの手間がかかったりするからです。
たとえば、テレアポで対応できる場合よりも、Web会議システムを利用しなければならないアプローチのほうが外注費用は高額です。
また、インサイドセールスの戦略策定やリスト作成などを丸投げすると、さらに外注費用は高くなります。
さらに、外注先によって網羅できる業務が異なるため、料金設定が複雑にばらつくことも多くなっています。
インサイドセールスの外注費用の選び方
インサイドセールスの外注費用の種類が異なれば、どの方式が自分に合っているのかわからなくなるかもしれません。
そこで、こちらではインサイドセールスの外注費用をどのように選べばよいのかを解説いたします。
インサイドセールスの外注費用の選び方のポイントは、以下の3つです。
- 実績や事例の多さ
- 提供サービス内容
- コストパフォーマンス
各ポイントについて何を重視すればよいのかわかるよう、下記で詳しく確認しましょう。
実績や事例の多さ
まず注目すべきは、外注先の実績や事例の多さです。
実績や事例が多い企業は、良い評価を得ているからこそ、多くの企業が利用しているケースが多くなります。
そのため、大手企業での実績が多い企業や、多くの業界での導入事例を抱えている企業は、安心して任せられる外注先であることがほとんどです。
多少外注費用の見積もりが高かったとしても、成果が出るのであればコストパフォーマンスは悪くないでしょう。外注費用の高さと実績や事例の多さのバランスが取れるのか、確認することをおすすめします。
提供サービス内容
委託企業のサービス提供内容でも、外注費用を判断することが可能です。
外注先となるインサイドセールスの代行会社には、以下のような種類があります。
ココがポイント
アポ獲得注力型:商談アポイントメントの獲得に注力する
クロージング型:アポイントの創出のみならず、商談完了まで代行する
既存アップセル型:既存顧客にオプション追加やアップグレードを促す
上記のうち、どのようなサービスを提供しているのかによって、外注費用は大きく異なります。
一般的にアポ獲得注力型は、固定報酬型や成果報酬型になることが多く、月額料金は比較的低額です。一方で、代行業務の多いクロージング型の外注費用は高くなります。
既存アップセル型の外注は、成果報酬型で1件あたりの成果報酬が高額になるケースがほとんどです。
コストパフォーマンス
委託費用に対する効果など、コストパフォーマンスの高さで選ぶのも、賢い選び方の1つです。
まずは、現状社内でどれくらいの商談アポイントメントの獲得が見込めるのかを検証しましょう。
すでにインサイドセールスを導入していなくても、現状マーケティングで獲得できているリード数なども含めて、何件くらいのアポイントメント数になるのか考えてみましょう。
まだサービスの開始から日が浅く、リードの獲得自体が難航しているようなケースでは、商談アポイントの獲得数は多く見込めません。その場合、固定報酬型の外注先に依頼してしまうと、コストパフォーマンスは非常に悪くなります。
対照的に、すでに多くの商談アポイントを抱えていてフィールドセールス注力のために外注をする場合には、成果報酬型の外注先に依頼するとコストパフォーマンスが高くなるはずです。
あらかじめ想定アポ数から費用を予測したうえで見積もりを依頼して、コストパフォーマンスの高さを他社間で検討することをおすすめします。
インサイドセールスの外注費用の注意点
インサイドセールスの外注費用には、失敗しやすい注意点があります。
- 組織内でインサイドセールスの理解が必要
- 自社に合うサービス内容であるか
- 情報漏洩のリスク
上記の点を踏まえたうえで外注しておかないと、社内で導入費用が高すぎるとの判断になり、成果が出ないままインサイドセールスの外注が終わってしまう可能性もあります。
インサイドセールスを適切に外注するためにも、各注意点を必ず確認しておきましょう。
組織内でインサイドセールスへの理解が必要
インサイドセールスを導入する前に、自社内でのインサイドセールスに対する理解度をあげることを意識しましょう。
インサイドセールスは、受注に直接かかわる仕事ではないため、社内では低く評価されやすい営業活動です。
そのため、マーケティング部門やフィールドセールス部門が、インサイドセールス部門の重要性を十分に理解できていなければなりません。なぜなら、自分たちでも対応できる業務を、無駄に依頼していると受け取られてしまう可能性があるからです。
また、バックオフィスの部門からも直接的に成果につながらないインサイドセールスは、削減対象となる外注費用であると判断されてもおかしくありません。
フィールドセールスの受注率が上がったときなど、社内で適切な評価が得られるように、社員が理解を共有できる状態が必要です。
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自社に合うサービス内容であるか
外注先が提供するサービス内容が、自社にあった内容であるかの確認も外注費用に関する失敗を防ぐために重要なポイントです。
自社の課題にあったサービス内容でなければ、まったく必要のない外注をしてしまうかもしれません。
たとえば、潜在的な顧客にアプローチをして、見込み顧客化するアウトバウンドリードの獲得に特化した外注先に、商談アポイントメントの獲得を依頼するのは適切ではありません。
自社に興味を持った見込み顧客だけが増えて、アプローチの優先順位もつけられないままでは、フィールドセールスの受注率が下がってしまうケースもあるでしょう。
インサイドセールスを外注するにあたって、コストパフォーマンスを高くするためにも、委託企業がどのような業務を強みとしていて、自社の課題を解決できるのかどうかをしっかりチェックしましょう。
情報漏洩のリスクも
インサイドセールスの外注には、情報漏洩のリスクからくる費用への懸念もあります。
インサイドセールスを運用するには、自社の商材やサービスに対する深い理解が必要になるため、外注先に多数の自社資料を公開するケースも多いです。
しかし、資料の公開範囲の設定や、閲覧権限の設定などを誤ってしまうと、予期せぬ情報漏洩が起きるかもしれません。
自社のサービスに関するノウハウの資料が漏洩して、他社の利益となってしまったり、外注先に自社が保持する個人情報や財務情報まで閲覧されてしまったりするリスクもあります。
気を付けていれば問題が起きることは少ないですが、気を抜けば億単位の損害が出る可能性もあるので厳重に注意しましょう。
まとめ
インサイドセールスの外注は、自社の営業プロセスを効率化するうえで、非常に効果的な選択肢の1つです。
しかし、外注費用の内訳や種類などをしっかりと理解したうえで、外注先を決定しなければ、意味のないインサイドセールス外注となってしまうこともあります。
インサイドセールスの外注費用の相場は、1か月あたり50〜100万円程度となるので、自社にとってコストパフォーマンスの高い外注となるのかを必ず検討しましょう。
今回ご紹介した、外注先の選び方や失敗しないためのポイントが、インサイドセールスの業務を外注する参考となっていただければ幸いです。
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