インサイドセールスは、企業の営業プロセスを効率化するために重要な営業手法です。
しかし、最近になって導入され始めており、営業の経験者でも慣れていない場合が少なくありません。
そのため、インサイドセールスを担当すると辛いと感じてしまうケースが多いようです。
そこでこの記事では、インサイドセールスが辛い要因や、辛いと感じた際の対処法を解説いたします。
インサイドセールスの向き不向きに関係する特徴も説明するので、これから取り組む方はぜひ最後までお読みください。
目次
インサイドセールスが辛いと感じる要因とは?
インサイドセールスは、自社商材を契約する見込みのある顧客に非対面でアプローチし、商談のアポイントメントを獲得する営業活動、もしくは担当のセールスパーソンのことです。
そんなインサイドセールスはまだまだ普及の最中で、運用していると営業が辛いと感じる人が多くいます。
では、なぜインサイドセールスは辛いのでしょうか。インサイドセールスが辛い要因は、大きく分けて以下の4つです。
- 知識不足(テレアポと勘違い)
- ノウハウが蓄積されていない
- 他部署と共有できていない
- 目標値が高い
インサイドセールスを苦痛にしないためにも、それぞれの辛い理由について詳しく理解しましょう。
知識不足(テレアポと勘違い)
辛いと感じる要因のひとつが、インサイドセールスに関する知識不足です。
ビジネスパーソンのなかには、インサイドセールスを「テレアポ」と同じだと勘違いする方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、インサイドセールスではテレアポとは異なり、受注につながる商談アポイントの獲得を目指します。
テレアポなら商談のアポイントメントの数が重視されますが、インサイドセールスなら受注できない商談アポの獲得は評価につながりません。
また、顧客側からしてもテレアポとの違いがわからず、冷たい対応をされる可能性もあります。
インサイドセールスは、あくまでも自社商材で解決可能な顧客の課題を把握することが主な役割です。
成果が出るまでに長期間かかるうえ、テレアポとの感覚の違いから、自己評価だけでなく周囲からの評価も下がることがあります。
ノウハウが蓄積されていない
インサイドセールスはコロナ禍において注目された営業スタイルの1つで、王道といえるような確立された手法がありません。そのため、手探りの状態で導入する企業も多く、経験豊富な人材も不足しているのが現状です。
新しい営業手法であるインサイドセールスは、社内での導入歴も短いことで、よりノウハウが蓄積されていない場合も多いでしょう。
弊社が支援する企業においても、インサイドセールスのノウハウがまったくないケースがほとんどで、効果的な運用方法を正しく理解している企業はないといっても良いでしょう。
社内でノウハウを貯めるためには、担当者が小さな失敗や成功を繰り返しながら、仮説や検証を経て、営業手法の改善が必要です。
特に、立て始めたばかりの仮説は失敗しやすく、ノウハウが蓄積されずに苦戦する場合もあるようです。
他部署と共有できていない
インサイドセールスは、マーケティング部門やフィールドセールス担当の営業部門の橋渡し役を果たさなければなりません。
しかし、マーケティングやセールスの部署から、インサイドセールスが正しく理解されていないケースも多くあります。連携が必要な部署の理解が得られなければ、スムーズな業務の進行は困難です。
たとえば、マーケティング部門から見込み顧客の情報が共有されていなければ、適切なアプローチ方法をとれないこともあるでしょう。
また、商談のアポイントメントに対応するフィールドセールスの担当者に、顧客情報の引継ぎをしても意味のない情報と捉えられる可能性もあります。
マーケティングやフィールドセールスの部署に対して、正しい認識が共有されていなければ、担当者が辛くてもおかしくありません。
目標値が高い
営業の目標値が高すぎると、達成が難しくなりネガティブな気持ちになることがあります。
インサイドセールスでは、しばしばKGIやKPIを設定して定量的に目標を設定します。しかし、導入から日の浅い企業では、不明瞭な目標や達成が不可能に近い目標を設定するケースも少なくないでしょう。
実際に弊社が支援した企業でも、獲得可能なリード数に見合わない商談アポイントメント獲得数をKPIとするがゆえに、いつまでも目標を達成できないケースがありました。
その結果、営業担当者は設定された商談アポ獲得数や受注率などのゴールを達成できず、辛いと感じてしまうのです。
目標は達成できるかどうかギリギリのラインでの設定が重要ですが、そもそも適切なラインすらわからないことが辛さの原因といえます。
さらに詳しく
インサイドセールスが辛い人と向いてる人の違い
インサイドセールスには辛くなりやすい要因がありますが、すべての人が辛いと思うわけではありません。
では、インサイドセールスが辛い人と、好意的に取り組める向いている人には違いがあるのでしょうか。
50社以上のインサイドセールス導入を支援してきた弊社が分析したところ、向き不向きには、個人的な性格の特徴が関係することがわかりました。
ここからは、インサイドセールスが辛い人と向いている人、それぞれの特徴を解説いたします。
- インサイドセールスが辛い人の特徴
- インサイドセールスに向いている人
インサイドセールスが辛い人の特徴
インサイドセールスが辛い人には、以下のような特徴がある場合が多いです。
ポイント
- 1人で仕事を抱え込みやすい人
- 完璧主義な人
- コミュニケーションが苦手な人
1人で仕事を抱え込みやすいと、業務や悩みをためやすい傾向にあります。
インサイドセールスでは、マーケティングやフィールドセールスの部署と共同で仕事を進めるため、1人で抱えるものが大きいとスムーズに連携が取れずに苦労します。
また、インサイドセールスでは最適な手法が確立されていません。成功させるためには、試行錯誤しながら営業を進めることが必要です。
そのため完璧主義者の場合、成果がでないことにフラストレーションを溜め続ければ、苦痛に感じるかもしれません。
さらにインサイドセールスでは、非対面のコミュニケーションを求められます。対面でさえコミュニケーションが苦手な人は、非対面でのアプローチが辛く思う可能性も高いです。
これらの特徴から、「自分の能力に自信があり、1人でなんでも乗り越えようとする人」ほど辛いと感じやすいといえます。
インサイドセールスに向いている人
辛く感じる人とは反対に、インサイドセールス向きの人は、以下のような特徴をもっています。
ポイント
- コミュニケーションが好きな人
- 傾聴力がある人
- 行動が早い人
コミュニケーションが得意な人は、見込み顧客とのやり取りを苦痛に思う回数が少ないでしょう。
また、他部署とのコミュニケーションも積極的に図れるので、連携や共有に問題が起きにくい傾向があります。
傾聴力がある人は、アポイントの際にヒアリングを効果的に実施でき、顧客のニーズの把握が得意です。相手の潜在的なニーズを引き出すことで、成果につながりやすい商談のアポイントを創出できるでしょう。
さらに、インサイドセールスは仮説検証を繰り返してノウハウを蓄積する必要があるため、行動が早い人も活躍していく素養を持った人材です。
PDCAを高速で回転させ、仮説と検証の繰り返しを素早く行動に移せば、自然と成果の出しやすい環境が整えられるはずです。
つまり、インサイドセールスに向いている人は、「失敗を恐れずに、コミュニケーションや業務改善にチャレンジする人」といえます。
インサイドセールスが辛い時の対処法
成長には痛みを伴うので、ある程度の辛さは受け入れることが必要になります。辛さは、インサイドセールスという新しい領域へのチャレンジによる成長の証ともいえるからです。
とはいえ、インサイドセールスには向き不向きがあり、すべての辛さが必要なわけではありません。辛いと感じた時には、解決するための対処法もあります。
こちらでは、インサイドセールスが辛いと感じた時の対処法を、3つ解説いたします。
- 1人で抱え込まない
- 他部署との連携を図る
- 目標値の見直し
インサイドセールスチームで活躍すれば、転職市場でも市場価値の高い人材になれます。
多少インサイドセールスが辛くても対処できるように、以下の詳細を確認していきましょう。
1人で抱え込まない
インサイドセールスに限ったことではありませんが、会社組織では1人で仕事を抱え込まないことが大切です。
インサイドセールスの営業リストの作成や見込み顧客へのアプローチは、膨大な数になります。
その膨大な業務を分担せずに1人で抱え込んでしまうと、負担が大きすぎてキャパオーバーしてしまうでしょう。
インサイドセールスチームで仕事を進めれば、成果が出るのも早くなります。メンバーで協力しながら、目標の達成を目指すことが重要です。
あるインサイドセールスチームでは、メンバー間で悩みを共有し合うようになった結果、全員で乗り越えようと協力し合うようになったケースもありました。
他部署との連携を図る
インサイドセールスの部署にいる営業担当者だけが、インサイドセールスの意義や業務内容を理解していても、うまく運用できません。
マーケティング部門やフィールドセールスと認識を共通にすることで、インサイドセールスの働きをポジティブに受け入れてもらえます。
また、見込み顧客のアプローチに苦戦していても、他部署からの理解があれば、モチベーションになったり、改善を手助けしてくれたりする見通しも立ちます。
例えば、他部署からの支援としてマーケティング部門に理想的なターゲット層を共有することで、獲得するリードの数や質の向上を求められます。
ほかにも、フィールドセールス部門と受注確度の高いアプローチ先の絞り込みや、トークスクリプトの改善を手伝ってもらうことで、成果を出しやすくなります。
定期的に接触の場をもてるなら、マーケティングやフィールドセールス部門へお礼を伝えるなどして、お互いに理解を深める活動をおすすめします。
目標値の見直し
設定が高すぎたり曖昧だったりする目標は、見直すことで辛さを軽減できます。
営業の目標値が高すぎると、達成できずにモチベーションが下がり、担当者が疲弊していきます。曖昧な目標でも、具体的な達成のイメージが難しく、努力自体が苦痛な作業になります。
高すぎる目標値を設定しないためには、必ず達成可能なラインのノルマ、頑張れば達成できそうな数値、事業的な理想値など、段階的に設定するのも1つの手法です。
期間的に達成が難しい場合は、達成期限に幅をもたせます。会社の目標値が意識できない場合、個人的に目標を設定してもよいでしょう。
また、目標値が曖昧になってしまう場合、インサイドセールスで利用できるSFAやCRMなどのツールを導入し、目標を定量化する手法もあります。
見直した目標であっても、定期的にKPIやKGIを振り返ることも重要です。乖離が大きい場合には、ずれの原因を把握して目標値の変更を再度考えることで、モチベーションの低下を防げます。
まとめ
インサイドセールスが辛いと感じる場合、個人的なスキル不足か企業の組織的な問題のどちらかが要因である場合が多いです。
どちらにしろ、個人で抱え込みすぎずに、他のメンバーや関係部署の担当者と協力することで、インサイドセールスの辛さを軽減できます。
なんとかモチベーションを保って運用を続ければ、業務の改善が進み成果が出るだけでなく、適切な目標値も見えてくるでしょう。
この記事を読み、市場価値の高い人材を目指して、ぜひ辛いなかでもインサイドセールスに取り組むモチベーションにつなげてください。
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