コロナ禍から在宅勤務やオンライン会議が普及し、インサイドセールスの需要は高まっています。
しかし、営業プロセスにおいてインサイドセールスを組み込もうとしても、どのようにして組織を立ち上げるべきかわからない方も多いのではないでしょうか。有効な商談件数を増やすためにも、立ち上げは素早く実施したいものです。
この記事では、これからインサイドセールスの立ち上げに動く方に向けて、必要なステップや成功するためのポイントを解説いたします。
目次
インサイドセールスの立ち上げでやること6選
インサイドセールスを立ち上げるには、下記の6つのステップを踏んでいく必要があります。
- 営業プロセスの設計と役割を決める
- インサイドセールスチームの立ち上げ
- シナリオ作成
- KPIの設定
- インサイドセールスツールの選定
- 運用と検証/PDCAを回す
上記のプロセスでインサイドセールスを立ち上げることで、営業活動が成功する可能性が高くなります。各ステップを詳しく解説するので、1つ1つ丁寧に確認していきましょう。
1. 営業プロセスの設計と役割を決める
インサイドセールスを進めていくためには、まず「どのように営業を進めていくのか」を決定します。というのも、初めに営業プロセスを可視化しなければ、インサイドセールスの役割を決定できません。
営業プロセスとは、リードの獲得から最終的な商談を経て受注に至るまでの流れのことです。一般的には、顧客リスト作成→リード獲得→初回アプローチ→ヒアリングによる課題特定→提案活動(商談)→クロージング→カスタマーサポートというプロセスが取られています。
その営業プロセスの中でも、インサイドセールスは主に初回アプローチからヒアリングまでを実施する役割になることが多いです。
とはいえ、自社の営業部門の規模によって、インサイドセールスに求める役割は変化させることも必要です。自社商材の特性やリードの属性によって、マーケティング部門やインサイドセールスの役割を明確に分担しましょう。
2.インサイドセールスチームの立ち上げ
インサイドセールスの役割がきまったら、次に登用する人材を決定し、組織を作っていきます。社内リソースの中で立ち上げる際には、マーケティングと営業の両方を経験している人材が適しているといえます。
また、インサイドセールスチームを専任させるのか、他部門での業務と兼任にするのかもチーム立ち上げ時に決定すべき重要なポイントです。社内のリソースがある場合には、専任のメンバーを増やして、挑戦的なKPIの達成を目指してもよいでしょう。
もし、社内でチームを立ち上げられない場合、インサイドセールスの代行サービスも存在します。早急にチームを立ち上げたいなら、代行サービスの活用もおすすめです。
3.シナリオ作成
シナリオ作成とは、実際にインサイドセールスでどのようにアプローチしていくのかを決定するプロセスです。
アプローチとなるターゲットの選定から、リードの属性による運用方法の設定や情報提供のパターン化まで、あらかじめシナリオを明確にしておくことでスムーズに運用できます。
特に、「誰に」「いつ」「何を」「どのように」届けるのかは、明確にパターン化しておくことが大切です。
例えば、「事例の問い合わせがあった企業に、問い合わせの1日後、導入事例とサービスの特徴をメールで送付する」というようなシナリオを作成していきます。シナリオ通りに運用すれば、顧客に適切な動きを促せることを重視して考えることが重要になります。
4. KPIの設定
目標の達成度合いを定量的に計測するための指標であるKPI(Key Performance Indicator)を、事前に設定しておくのも大切なステップの1つです。
営業活動における結果は明確ですが、結果までの過程を定量的に分析することも、インサイドセールスを成功させるためには必要です。
一般的には「受注件数」や「商談化率」、「アプローチ数」などがインサイドセールスのKPIとして適しています。各KPIに目標値を設定して、常にゴールを追いながら営業できるようにしましょう。
KPIを設定する際には、最終的な商談化率のみではなく、その過程にあるコンタクトの量やリード件数なども細かく設定することが重要です。
特に立ち上げ期間は、アポイントの数や商談数など質より量を追求してください。顧客との接点数を増やすことで、受注件数も増える傾向にあります。
逆に、インサイドセールスチームが軌道に乗り始めたら、アポイントや商談の創出1件あたりにかかったコストの改善も必要です。コスト関連のKPIを追うことで、営業活動の質もあがります。
5.インサイドセールスツールの選定
KPIを追っていくためにも、インサイドセールスで利用するツールを選びます。
のちほど紹介しますが、インサイドセールスツールと一言でいっても、その種類やサービスは様々です。立ち上げに成功する確立を最大化するには、自社で定めたKPIを適切に把握するために必要な機能をもつツールの導入が重要です。
また、最適なツールを導入したとしても、日々の活動ログや顧客データの記録・管理を怠っては意味がありません。
インサイドセールスツールの運用方法も事前に決定し、「他部署間での情報共有がしやすい」「営業データを定量的に把握できる」状態を維持しましょう。
6.運用と検証/PDCAを回す
インサイドセールスの運用方法やKPIが決まれば、あとは積極的に進めていくのみです。運用と効果の検証作業を繰り返して、営業活動の精度を上げていきます。
精度の向上のためにもインサイドセールスツールをもとに定期的にKPIを確認し、ビジネスの基本であるPDCAサイクルを回します。地道にシナリオやKPIを改善することで、より大きなインサイドセールスの成果を期待できます。
インサイドセールス立ち上げに必要なツール
インサイドセールスチームを立ち上げるときには、KPIを分析するためにツールが必要です。インサイドセールス用のツールは、主に以下の4種類あり、それぞれ特徴が異なります。
- SFA
- CRM
- MA
- WEB会議ツール/名刺管理ツール
ここからは、4種類のツールについて詳しく解説するので、自社で運用するにあたってどのツールが必要なのか検討していきましょう。
SFA
SFA(Sales Force Automation)とは、営業支援システムのことです。企業のセールス部門の情報共有や、業務の自動化などを行い、デジタル上での運用により分析もしやすくなります。
SFAを導入することで、インサイドセールスの過程を可視化するだけでなく、フィールドセールスへの情報共有など無駄な業務を省くことにもつながります。
主なSFA
- Sales Cloud/Salesforce
- Dynamics 365 for Sales/Microsoft
- kintone/サイボウズ
CRM
CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客管理ツールのことです。顧客の購入履歴や問い合わせ情報などを記録し、顧客との良好な関係性の構築に貢献します。
インサイドセールスにおいては、アプローチ企業の選定やリードナーチャリングなどに活用できます。
■主なCRM
Salesforce CRM/Salesforce
Eight Team/SanSan
<h3>MA</h3>
マーケティングを自動化してくれるツールが、MA(Marketing Automation)です。メール配信や問い合わせ対応を自動化できるので、他のマーケティング関連業務により多くの時間を割けるようになります。
主にリード獲得や問い合わせへの1次対応などで、インサイドセールスの業務効率化に役立ちます。
主なMA
- Pardot/Salesforce
- Marketo Engage/Adobe
- b→dash/データX
Web会議や名刺管理のツール
WEB上でミーティングを実施できるWEB会議ツールや、名刺を社内で一括管理できる名刺管理ツールもインサイドセールスには重要です。
WEB会議ツールを導入すれば、インターネット環境と利用可能なデバイスさえあれば、いつでもどこでもインサイドセールスに取り組めます。
また、名刺をデジタル化して顧客名簿を作成できる名刺管理ツールがあれば、アプローチ企業を増加させやすく、営業部門間での連携も取りやすくなります。
主なWEB会議ツール
- Zoom/Zoom
- Google Meet/Google
- Microsoft Teams/Microsoft
主な名刺管理ツール
- SanSan/SanSan
- SKYPCE/Sky
- Knowledge Suite/ナレッジスイート
インサイドセールス立ち上げのポイント
インサイドセールスの立ち上げ方や必要なツールが分かっていても、失敗しやすいポイントを押さえていなければ成功する確率は低くなります。
以下の3点は、インサイドセールスの立ち上げ時に意識すべきポイントです。
- 目的と役割を明確にする
- 立ち上げチームは少数精鋭
- プロに相談するのも合理的
各注意点を丁寧に解説していくので、インサイドセールスチームを立ち上げる前に必ず確認しましょう。
目的と役割を明確にする
インサイドセールスの目的と役割を明確にすることは、最終的な受注率の向上に関わる非常に重要なポイントです。
基本的に、インサイドセールスにはマーケティング部門とフィールドセールス部門をつなぐ役割があります。しかし、自社の課題に応じて、インサイドセールスに求めることがリードの新規開拓なのか、リードからの商談化率の上昇なのかは変化するはずです。
具体的に言えば、リードはすでに多数獲得できている状況であれば、より顕在的なニーズを持った企業に絞って商談化していくことが、インサイドセールスの役割になります。
一方でリード自体が少なければ、リストをもとに多くの企業や個人にアプローチし、顧客の潜在的ニーズの把握により、商談へとつなげることが役割になります。
立ち上げの前に、営業組織の中でインサイドセールスが何を解決するための部隊なのかを明確にしておきましょう。
立ち上げチームは少数精鋭
インサイドセールスの立ち上げ時は、少数精鋭のチームからスタートすることをおすすめします。
少人数からの立ち上げをおすすめする理由は、以下の通りです。
ポイント
- 立ち上げ時は成果が上がりにくい
- 何度かPDCAを回し精度を上げてから拡大した方がコストが抑えられる
- 各部門とのコミュニケーションが少なくて済む
- インサイドセールス人材が育ち、後進の育成環境が整備できる
インサイドセールスは、既に成功するメソッドが確立されているわけではなく、経験のある人材も少ないため、最初は手探りで進める場合が多いはずです。
そのため、小さな規模の立ち上げからKPIの達成が見込めるようになった段階で、徐々に人員を拡大していく方が成功しやすくなります。
プロに相談するのも合理的
インサイドセールスを初めて立ち上げる場合には、まずプロフェッショナルに相談するとよいでしょう。
2022年現在、インサイドセールスの支援サービスは数多く存在しています。それらの企業では、インサイドセールスの戦略策定から、ツールの選定・導入までコンサルティングしてくれるので、万全の組織体制で立ち上げることが可能です。
さらに、サービスによってはインサイドセールスチームの内製化が完了するまで、業務を代行して実施してくれる場合もあります。
自社にノウハウがない場合や、人的資本が少ない場合であれば、インサイドセールスに特化したコンサルティングを提供している株式会社Gooofyに相談するのがおすすめです。
インサイドセールス立ち上げならまずはプロに相談!
インサイドセールスを立ち上げるには、営業プロセスの設計から、チームの編成、シナリオ作成、KPI設定、ツール導入、運用・効果検証まで6つのプロセスを経る必要があります。
なかでも、インサイドセールスツールは4種類もあり、それぞれ特徴も異なります。そのため、経験なしに自社にあった適切なツールを導入することは非常に難しいといえます。
また、立ち上げる前にインサイドセールスの目的を明確化したり、最適な規模のチームを編成することも大変な作業です。インサイドセールスを一から立ち上げるなら、まずはインサイドセールスのプロフェッショナルに相談するのもアイデアの1つです。
なかでも株式会社Goofyは、インサイドセールス支援事業において50社以上の実績があります。インサイドセールスの組織立ち上げにお困りの場合は、ぜひ株式会社Goofyにお問い合わせください。
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